帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

【危険】タイ人に会社を乗っ取られる!

Q.
タイで飲食店を開業したいのですが、タイ人にお店を乗っ取られないか心配です。
どうしたら良いでしょうか?
 
 

相談者はタイのシーラチャでラーメン屋を開きたいらしい。
社内の仲間内でお金を出し合ってラーメン屋を作る計画をしてるそうだが、経営母体である会社設立の段階で、飲食業目的の法人はタイの外国人事業法により外国人出資比率が50%未満に規制されていることを知り、株式の51%をタイ人が所有しなければならないことに対して仲間内で懸念を持つ人が多いため話が進まないそうだ。
 

A.
名義貸しのタイ人を複数たてて、さらにお互い知らない同士のタイ人を株主にしたら?

設立時点で7名の株主が必要。日本人4名 タイ人株主を3名とし、タイ人株主が保有する51%の株式を3名それぞれ17%に分ける。
タイ人同士で全く別の知らない者同士とすれば、タイ人株主3名が集まらないと過半数にはならない。
 

タイ人同士なんてどこでつながってるかどうかわかりません!そいつらが一致団結したらどうするんんですか!

A.
まず資産を持たない持ち株会社を作って、運営会社の株主にしたら?
別に日本人持ち株比率49:タイ人持ち株比率51で構成された持株会社を設立し、その持株会者が本体会社の51%を所有させる。
持ち株会社はタイ資本過半数なのでタイ人出資扱いにできる。


ダミーの会社を乗っ取られたらどうするんですか!そんなの納得できません!
ところで製造業だと外資100%でも良いんですよね?
 

ラーメン屋やめて製造業にするの?
 

麺を製麺機で作るんですよ!製造でしょ?だから製造業で登記します。

麺だけ製造して卸売り販売するの?

いえ。ラーメン作って売ります。

それって100%飲食業だよ。店で客がラーメン食ってる時点でサービス業なの!

登記は製造業でできませんか?

製造業と登記しておきながらお店で客にラーメン食わせると明らかにサービス業だよ。
そんなことしたら外国人事業法違反で罰金もしくは禁固刑だよ。

 


ところで仲間内でお金を出し合うそうだけど、自社建物の巨大高級ラーメン店でも作るの?


それともタイ国内で多店舗展開するの?


そんなに乗っ取りが心配でたまらないほどの巨額出資なんだよね?

合計出資金額が2000万バーツ以上だったらBOI認可を取ったら?


いえ、シーラチャのラーメン屋を居ぬきで50万バーツで買うだけです。


は?しかもたった50万バーツで共同経営すんの?
 

はい同じ会社の同僚でお金を出し合ってラーメン屋を経営します。
実は行きつけのラーメン屋が「閉店するから売り先を探している」 とその日本人経営者から相談されたので、その場にいた同僚同士で「俺たちが買おう」となったわけです。
 

おまえが会社辞めてラーメン屋に専念するの?
 

いえ今の金属加工工場でみんなそのまま働きますよ。お店は引き続き既存のタイ人コックとウエイトレスに任せます。
 

お前はバカか?「乗っ取り」の心配より店の運営を心配しろ。

日々の売り上げ金をどう管理するか心配しろ。

スープの味とか接客サービスのことを心配しろ。
 
おまえらが行きつけなぐらい固定客がいる店なのに営業を継続できないラーメン屋が黒字経営な訳が無いだろ!
その経営を引き継いだ直後から発生する店の赤字補填の心配をしろ。


前の経営者が毎日店に出てそれなりに努力して営業しても儲からないからお店を売りたいというようなラーメン屋を買い取ってタイ人従業員に丸投げしても経営は成り立たない。
お店を買っても利益どころか間違いなく毎月の赤字額の補填を強いられる。
失敗した店を買ってそのまま放置して成功する可能性はゼロ。

【タイ人に乗っ取られる】などと心配する前に、野放しの管理で赤字を垂れ流し続ける。

毎月店の赤字補てんをメンバー全員で分担して払い続けても数ヶ月でギブアップして店を手放すことになる未来は間違いない。
 
結果的に時間とお金の損失の危険を「タイ人に乗っ取られる」という妄想のおかげで回避できた彼らは幸運だったと思う。
 
 


タイ人の乗っ取りを異常に気にする人あるある

★出資額はわずか(100万円とか)
★ありふれた商売しかしない(競争力のある事業が出来ない)
★これまで商売した経験が無い
★現状がサラリーマン(勤務しながらタイで投資するらしい)
★痩せ型神経質


写真はちょうどそのころブルドックソース敵対的買収で話題になったスチールパートナーの社長。
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