帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

シパトモのタイ起業4

【シパトモのタイ起業】

35歳にしてタイの風俗にはまってしまったシパトモは彼の妻に対してタイに長期滞在する理由を作るべくタイで起業する。
彼にとって必要なのは事業で利益をあげることではなく、ただタイに来る理由だけであった。





ネットカフェのチェーン店も運営している日本のオンラインゲーム会社(株式会社デルガ)
の社長と知り合いなのでその社長をバンコクに招き、北京ダックを食べながらアルさん、ミキさんを交えて今回のタイの事業について出資交渉を行った。


交渉の結果、出資を得ることに成功し以下の条件にて合意した。


日本のゲーム会社の株式会社デルガは今回の事業に対して以下の提供を行う

★100万バーツを出資し、新会社の株式の25%を保有する
★レジシステム、パソコン管理システムを提供する
★オンラインゲームのタイ語バージョンを開発し提供する


タイ側は出資に対して以下の条件に従う
★日本の傘下チェーン店扱いとする

店名はミューミューバンコクとし、内装デザインは日本に従う
★タイで新規フランチャイズ展開を積極的に行う
フランチャイズ希望者からフランチャイズ料を徴収しその50%を日本の取り分とする
★デルガ配信のオンラインゲームの収益のうち70%は日本の取り分とする


100万バーツを出資してもらう上に、インターネットカフェの管理システムや独自のオンラインゲームを提供してもらうとは上出来である。
独自のオンラインゲームを持ち、ミューミューバンコクのチェーン店でしか出来ないゲームがあれば集客効果も期待できる。

さすがアルさんとミキさんの効果はすごい。この2人には出資したくなる魅力がある。

1000万バーツの出資を願うアルさんにゲーム会社の社長の顔が一瞬引きつったが、その後のミキさんのサポートが良かった。
北京ダックを食べた後に行ったカラオケboxで安室奈美恵を完璧に歌うミキさんの印象が良かったようだ。

投資を引き出したにもかかわらずアルさんは投資額が少なかったことに不満のようだ。

私がさらに100万バーツを出資するので、とりあえずネットカフェを開店させて軌道にのせてから新たなビジネスを構築しようと説得した。


ミキさんの方はネットカフェの名前が日本のチェーン店の店名になるのが不満だった。
ミキさんはすでに店の名前を「カーウェラー」(ฆ่าเวลา)と決めてすでに看板デザイン案なども進めていたようだ。


カウェラ?何語ですか?ミキさん

タイ語で「暇つぶし」という意味です。

カウェラってスペイン語っぽくて良い感じですね。それでは新会社の名前を「カウェラ」にしましょう。


ということで日本のネットカフェのタイ1号店である「ミューミューバンコク」の開店に向けてさらに前進した。


---新会社「カウェラ」株主構成 (1株1,000バーツx4,000株)---

◎株式会社デルガ 1000株 25%
◎シパトモ      960株 24%
◎アル タンペ  1037株 26% (実出資5万バーツ)
◎ミキ ニマン  1000株 25% (実出資5万バーツ)
◎その他     3名(アルさんの友達など)



タイでインターネット事業を行う会社の株主構成はタイ人が51%を占めないといけないルールがあるそうで、アルさんとミキさんは合計10万バーツしか出していないが、会社の株式の51%を所持することになった。

出資金合計210万バーツが会社のお金としてアルさんが管理することとなり、これからの役割分担は以下の通りだ。

アルさん インターネット店舗探し、会計・現金管
ミキさん Webサイト準備、店舗看板デザイン
シパトモ 新規フランチャイズ勧誘・新規事業計画

となった。

ちなみに新会社の名前である
「カーウェラー」(ฆ่าเวลา)の意味は
 ฆ่า  カー(殺す)
 เวลา ウェラー(時間)

直訳すると「時間殺し」意味としては「暇つぶし」である。



会社名に「殺」という文字を戴いた会社「株式会社 時間殺し」が前途多難な未来に個々の思惑(主にアルさん)を乗せて旅立つことになった。