帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

不動戦士タカハシ 1話

不動戦士タカハシ 


第1話 プロローグ



大きな荷物を持って1時間以上行列に並んでいた。

そこは必要以上にいつも込み合っている格安航空会社のチェックインカウンター。

周囲の客のほとんどが日本のお土産を抱えたタイ人達だ。
日本人であるタカハシも同じように日本のお菓子や化粧品を大量に抱えている。


「・・・・・早くミンちゃんに会いたいな。」

1時間以上待っているが行列はあまり進まない。
しかしタカハシはイラつくでもなく、どちらかと言えば笑みを浮かべながら行列に並んでいる。


◇◇◇◇◇◇◇◇


タカハシは大手宅配業者のドライバー。
最近は3か月に1回のペースでバンコクに訪問するようになった。


タカハシは33歳独身。
彼女いない歴=年齢。
初めて出来た彼女・・・タカハシは彼女だと思っているが、実際には専属契約している元タニヤ譲・・・のミンちゃんに会いにバンコクに通っている。


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早朝ドンムアン空港に降り立ったタカハシはそのまま空港のベンチに座って昼まで時間を潰す。

すぐにミンちゃんのために借りているアパートに向かわないのは、昼まで寝ている彼女を起さないため。

朝の6時に到着してから12時までの6時間!!!も空港で過ごしてからアパートに向かった。



「あたま痛ーい!!!」


3か月振りに会ったタカハシにミンちゃんが浴びせた第一声は(昨日は飲みすぎて)頭痛がするから頭痛薬を買って来いであった。

ミンちゃんの部屋に上がらないまま近所のコンビニで頭痛薬を買ってきたタカハシ。

しかしすぐさまコンビニに引き返すことになった。

何故なら水を買ってなかったから。


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すぐに3か月振りのセックスをしたいタカハシだったが、頭痛薬を飲んだミンちゃんは寝てしまった。

ミンちゃんが起きるまで部屋の掃除をしながら待つ。

夕方になってようやく目を覚ましたミンちゃんの要求でシーフードレストランに行った。

ミンちゃんがオーダーした食べきれないほどのシーフードを食べつつビールを飲む。

夜便の飛行機であまり寝れなかったタカハシは力尽きてミンちゃんのアパートにひとり戻って寝た。

ミンちゃんは友達と引き続き飲みに出かけたらしい。
 




翌日の昼。
再びミンちゃんに命令されて下痢の薬を買いに行くタカハシ。

しかしタイ語の出来ないタカハシは近所の薬局では薬を買えなかった。
仕方が無いのでタクシーでわざわざアソークの日本人のいる薬屋まで出かけて買ってきた。


そんな努力の末にミンちゃんに浴びせられた言葉は

「どうしてアナタは薬と一緒に水を買ってこないのよ!」




学ばない男。
カラオケ嬢の尻に敷かれる男。

それが【タカハシ】
 
 

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タカハシはこんな感じ

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新シリーズです。
今回は7話完結の予定です。