帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

不動戦士タカハシ 3話

第3話 タイ移住



タイ語も英語も出来なくて職歴はドライバーだけねぇ。
はっきり言いますがあなたに紹介出来る仕事はありません。
あなたはタイに来てはいけないタイプの人なので引き続き日本で働くことをお勧めします。」


タイで仕事を探そうと人材紹介会社を何社かまわったが、タカハシに仕事紹介してくれるところは無かった。

人材紹介会社で勧められたのは日本語フリーペーパーの求人情報に直接応募することだった。



ミンちゃんをタイで養っていくためにも、何としてもタイで仕事を得なければならない。
フリーペーパーの求人欄を見ているとタカハシでも出来そうな仕事があった。


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日本人営業募集
ハッピー商事では日本人営業を募集しています。
タイ語・英語不問で不動産業界での経験も不問
給料4万バーツから

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タイ語も経験も不問の求人広告を見つけた。
タカハシはすぐに電話をかける。


「はい!!!ハッピー商事山川でございます!!!」


「あの~ フリーペーパーをみたのですが・・・」


「はい!!!何なりとお申し付けください!!コンドミニアムをお探しですか?」


「・・・・すみません。求人広告をみたのですが・・・」


「ちっ! 入社希望の人ね。 で、いつから出社できるの?」


「え?いきなり入社ですか? 面接とか・・・」


「だ・か・ら! いつから出社できるのか聞いてるの!」


「あ、あの準備とかあるので・・・明後日からから出社します」


「明後日ねえ。 まあ良いけど。9時に出社したらヌッサリンという社員がいるからその子に聞いて! じゃあ」



いきなり採用が決まって戸惑うタカハシ。
明後日の出社先も分からないし、言われたタイ人スタッフの名前も覚えていない。

明後日から出社しろと言われても、出社する場所が分からないタカハシだった。

ネットでハッピー商事の場所を知れべれば良いのだが、そこまで機転の利かないタカハシは再度フリーペーパーの求人広告の電話番号に電話をして聞く事にした。



「はい!!!ハッピー商事山川でございます!!!」


「あのすみません。会社の場所を教えていただきたいのですが・・・」


「弊社にお越しになるのですか? わざわざお越しいただかなくてもこちらからお伺いさせていただきます!!!」


「・・・・すみません。先ほど入社希望でお電話したタカハシです。」


「はぁー。 こっちは忙しいんだから困るんだよ!! 会社のウェブサイトがあるからそこで調べろよ!!
 
・・・は? ウェブサイトのURL???

そんなの周りの誰かに聞け!!!」



出勤する場所はまだ分からないが就職先が決まったが、ハッピー商事の業務内容と自分の仕事内容は全く分からないタカハシであった。