帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に44話

生産機械メーカーのタイ法人に勤務するユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。

死んだはずのユウイチは目覚めたとき、タイ人中学生の【アット】になっていた。

第1話はこちらから
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第44話 大学生活3年目 
 
 
 
部屋の至る所にドラえもんの顔、顔、顔。
こんな落ち着かないドラえもん部屋は・・・・俺とナムワーンの部屋だった。
 
 
1995年5月。
アットの大学生活3年目が始まった。
 
長期休み中限定で、タニヤのカラオケ嬢としてデビューしたナムワーン。
その経済的に余裕が出来たナムワーンの強い意向で、大学の近くのアパートを借りてふたりの同棲生活が始まった。
 
今回借りたアパートは田舎には珍しくコンクリート造の4階建て。
部屋の広さはワンルームで25m2の家賃は2500バーツ。
 
教員や裕福な学生が住む、コンケンでは高級な部類に入るアパートだった。
ナムワーンの趣味で室内のカーテン、ベットのシーツ、枕、バスタオルがすべてドラえもんの顔の柄で統一された。
 
版権クソくらえのタイでは格安にキャラクターグッズが手に入るとは言え、どうしてドラえもんなのだろうか。
 
彼氏でありながらカラオケ嬢となることを勧めた俺への抗議なのか?
 
やり場のないストレスから来る代償行為なのか?
 
 
ナムワーンが好きなら何のキャラでも良いが、元日本人の俺から見てどうしてドラえもんなのだと聞きたい。

 
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アパートに引っ越して俺が一番嬉しかったのは専用のシャワーである。
早速温水器を取り付けて、日本留学以来久しぶりとなるお湯シャワーを満喫する。

シャワー室でイチャイチャしつつナムワーンの体を隅々まで揉みながら洗うのも楽しい。

シャワー室の効果もあって、ナムワーンと同棲生活が始まってからほぼ毎日セックスしている。
やっぱりセックスの前後はシャワーを浴びて清潔にしないとな。農作業小屋や屋外のセックスも良いがきれいに洗った体を舐めまわすのが基本だと思う。
 
 
しかも次の長期休みには再びナムワーンはカラオケ嬢として働く。
そして汚い日本人の中年オヤジにナムワーンのおっぱいが揉まれて乳首が舐めまわされてしまう・・・と考えると俺に対抗心が芽生えて隙があればナムワーンのおっぱいを揉む。
 
大きくて揉みがいのあるおっぱいを服の上から触るとついつい背中に手をまわしてブラジャーのホックを外してしまう。
そしてナムワーンの乳首が見えるとついついしゃぶりついてしまい、結局最後までいってしまう。
 
前世ではお気に入りの風俗嬢が出来ても3-4回通えば体に飽きが来てしまい、別の女へと新規開拓するのだが、ナムワーンのおっぱいはかれこれ2年揉んでいるが未だに飽きない。
 
ナムワーンのおっぱいが特別に良いので飽きないのか、それとも俺がただ若いだけなのか・・・。
 
 
 
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タイの大学3年目は日本と同じく専門課程が多くなった。
専門分野の内容が高度になるにつれて教科書は英文の割合が増えてきた。
 
日本では海外から取り入れた専門知識を国内で広めようと、海外の専門書の日本訳や日本人が書いた解説書が多く出版された。
翻訳の過程でそれまで日本語には無かった単語や概念を表す新たな造語を作り出し日本人が理解しやすいように努めた。
 
 
しかしながらタイではそんな親切なことをしない。
 
高度な専門知識を英語で指導するのは英語でも理解できる限られた人間にしか教えないという変なエリート意識があり、優秀な学生は英語で書かれた内容を理解し、授業について行けるが、英語が苦手であれば挫折する学生も多い。
 
アットも日本で買った機械分野の単語が網羅されている機械英語辞典が無ければ機械関係の専門用語の解読にかなり苦労していたと思う。
 
タイの大学ではこんな不親切な専門教育によって3年目ぐらいから英語が苦手な学生は単位が取れず徐々に脱落していく。
 
同棲生活でナムワーンが洗濯や掃除もしてくれるので、空いた時間を利用して英語の教科書を片っ端からタイ語に翻訳していった。
 
最初は自分が理解を深める目的であったが、クラスメイトに提供したところ非常に好評で、1000バーツで提供しても感謝され、クラスの約半分が購入するという思わぬ臨時収入となった
 
 
 
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日系企業で日本語通訳として採用されるには日本語検定2級に合格することが望ましい。
しかし大学在学中に2級に合格する学生は少ない。
 
日本語通訳が欲しい企業は仕方なく日本語検定の3級の合格者を採用するわけだが、2級合格者は3級に比べて就職の機会を得やすいだけでなく初任給も数千バーツ高い。
 
ナムワーンにはこれから二年間の頑張りが就職してから年収が数万バーツ違うことを理解させようと説明するもなかなか理解してもらえなかった。
 
目標が大きすぎて分かりづらいので、目先の数字に落とし込むことにした。
 
日本語検定2級と3級合格者の給与格差を3000バーツと仮定し、日本語検定2級合格に必要な漢字は1100字。
 
漢字を1文字覚えたら給料3バーツアップだ。
1か月10バーツが10年積み重なれば400バーツ。
 
漢字を1つ覚えれば400バーツ。
1日アルバイトしても得られないお金がもらえる。
 
と説明すると、目先の快楽を求めるタイ人のナムワーンですらやる気が出たようで、毎日漢字の書き取りに励むようになった。
 
 
 
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1996年4月となり勉強も性生活も充実した1年が経過した。
 
そしてナムワーンは今年無事に日本語検定3級に合格した。
俺もついでに日本語検定1級を受けて当然合格した。
 
 
今回は長期休みのアルバイトに加えて教科書の翻訳文の提供で小銭を稼いだため、逆に貯金を若干増やしてこの1年を終えた。
 
 
順調だ。