帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に43話

生産機械メーカーのタイ法人に勤務するユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。

死んだはずのユウイチは目覚めたとき、タイ人中学生の【アット】になっていた。

第1話はこちらから
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第43話 ロイエット帰省 



1995年の4月。ソンクラーンに合わせて久しぶりにロイエットに戻ってきた。


2年振りの帰省に母親はどうして毎年帰ってこないのかと文句を言う。


学費や生活費を自分で稼がないといけないから長期休みの間にバンコクに出稼ぎアルバイトしてると言うが

「どんな理由があってもソンクラーンは必ず帰ってきなさい。」

と注意された。
そして「ソンクラーンは物入りだから」と金を催促される


3,000バーツ渡す俺に、母親が明らかに少ないという表情で文句を言った。

バンコクで働いているのにどうしてこんなに少ないの!」


大学に通うために自分で学費や生活費を稼ぐべく長期休みを利用してバンコクで働いてきた。
その限られたお金の中から3000バーツを渡しても少ないらしい。


母親にとっては

大学に通うために自分で学費や生活費を稼ぐべく長期休みを利用してバンコクで働いてきた。

という最後の部分を勝手に解釈し

1年間バンコクに出稼ぎに行っていた人間が貯めたお金と同程度のお金を家にもって帰って来るべきだ。

という思考になっているらしい。

母親にとってはバンコクで働いた日数は関係なくバンコクで働いて来たなら1万バーツぐらいは持って帰って当たり前らしい。

俺は挫けずに理解してもらおうと説明した。

「実家に迷惑をかけず、あと2年頑張って勉強して学位を得てエンジニアになってお金を稼ぐから。今はこんなに目が悪くなって眼鏡をかけるほど必死に勉強しているんだ。」



母親には納得してもらっていないようだ。

【学位】【エンジニア】【学費】といった母親の人生で全く接することの無かったワードを理解する気は無いようだ。


自分の手を離れて遠くにいる息子は2年たっても一向に送金してこない親不孝者だという認識を変えてもらえそうにない。




母親への説明をあきらめて父親に現状について説明した。

★学費は卒業後の分割払い制度を利用して卒業後に払えば良いが、寮費や生活費、教科書代をすべて自分で賄っている。
★収入は大学の長期休みにバンコクに出て日本語を使うアルバイトをしてなんとか賄っている。
★卒業後も働きながら進学予定(ウソ)でお金がかかるし、これまでの学費を分割返済するため就職しても数年は生活は苦しいと思う。

以上をの内容を納得して母親にもかみ砕いて説明してもらえるという前提で母親に内緒で2000バーツを父親に渡した。



苦労して勉強している息子に無理な要求をしなければ10年後は本当に遊んで暮らせるだけの送金が出来るように頑張るとフォローをしておく。


母親にとって俺は「意味不明な行動をする出来の悪い息子」という認識なのだろう。
まだ父親の方が理解してもらえる気がする。
しかしこいつらは本当に目先の事しか考えられない馬鹿だ。


中学生になった弟と妹にバンコクで買ったお菓子と500バーツづつ渡した。

お礼も言わず500バーツを持って立ち去った二人。
兄弟ながらあまりこの2人には知性が感じられない。

あの馬鹿な親の血を引いているのだから仕方が無いか。

数年以内に暴走族になりそうな気がする。



とりあえず両親には「弟か妹が大学に行きたいと言い出したなら俺が頑張って援助するから」と言っておいた。無理だと思うが。

俺が不用意に発したこの発言の最後の部分を勝手に解釈されて後日騒動に巻き込まれてしまうことになる。



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折角ロイエットに戻ったので元彼女であったオイウェンの様子を見に行く。


オイウェンは俺と同じ21歳になるが・・・すでに2人の子持ちで明らかに太っていた。

結局見ることも揉むことも叶わなかった当時のオイウェンの膨らみかけのおっぱいは・・・2人の子供の出産の影響で今は垂れてしまっているのであろう。

挨拶だけしてその場を立ち去った。


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正直なところ馬鹿な両親のいるロイエットには戻りたくないし、実家も縁を切りたい。

しかしタイの男子の通過儀礼である出家や徴兵などで実家に頼らなければならないので出来るだけお金を節約しながら付き合っていかなければならない。




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