腹上死して生まれ変わってタイ人に18話
生産機械メーカーのタイ法人に勤務するユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。
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第18話 高校生交換留学
日本語能力検定2級に合格したご褒美に日本語教師のユミ先生とデートしてもらう約束を変更して交換留学について調べてもらうことにした。
ユミ先生がバンコク国際交流センターに問い合わせて調べてくれた。
日本滞在中の生活はボランティアホストの家にホームステイし、食事も無償提供される。
そして毎月4万円支給されるの滞在補助費の返済は不要。
交換留学の対象は新高校2年生で留学期間は10か月。
日本滞在中の生活はボランティアホストの家にホームステイし、食事も無償提供される。
そして毎月4万円支給されるの滞在補助費の返済は不要。
無償で留学できる上に毎月4万円が支給されるというのは、かなり恵まれているので希望者が殺到してもおかしくないと思うのだが・・・あまり知られていないため応募者は少ないらしい。
お役所仕事なので積極的に周知はしてないようだな。
せいぜい日本語で募集ポスターを作って貼る程度。
応募条件が「英語もしくは日本語で高校2年生に相当する授業を理解できる能力を有する者」なので日本語ポスターが読めないような対象外らしい。
ちょうど来年度の募集がもうすぐ始まるそうなので急いで準備をする。
準備するのは留学願書への記入と中学校に入ってからの成績証明書。
そして日本語か英語で「どうして自分は日本に留学したいか」について作文
以上の提出だけで応募出来るそうだ。
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【どうして僕は日本に留学したいか】
私たちタイ人から見て日本はあこがれの国というか奇跡の国です。
すぐれた技術を持った勤勉な人たちばかりで、工業技術だけでなく文化もすぐれています。
日本の技術や文化にあこがれる僕に友達は言います。
「日本は特別な国だから」
本当にそうでしょうか? 日本人もタイ人と同じ人間です。
どうすればタイ人も日本人のような勤勉で優秀な人間になれるのか。
日本に行くことが出来れば日本人が何故優秀なのか。
どうやって日本を世界有数の技術大国に発展させたのか。
その理由の一端を少しでも学ぶため僕は日本への留学を希望します。
留学して少しでもの技術や文化を肌で感じ取ってタイの技術進歩に貢献すべく・・・・・
<<以下 略>>
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これでもかというほど日本を褒めたたえる。
その自意識を満足させるように日本を褒めておくと、まず大丈夫に違いない。
衣食住がタダで、毎月4万円の支給だと節約すれば貯金も出来る。
留学生は一定のアルバイトも認められるらしいのでしっかりアルバイトをして大学のための学費を稼ごう。
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願書を提出してしばらくしてバンコクに交換留学生の審査の面接に行くことになった。
仕方が無いのでユミ先生にお金を借りて夜行バスでバンコクに向かい、面接終了後にまた夜行バスでコンケンに戻ってくることにする。
両親に説明するとまた面倒なので、留学が正式に決定したら両親に報告をしよう。
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バンコクで交換留学のための面接当日。
久しぶりのバンコク。
生前の記憶にあったバンコクに比べて、高いビルが少なく渋滞がひどい。
高架鉄道や地下鉄も開通しておらず、主要な移動手段はバスかタクシーしかない。
モチットのバスターミナルに到着してからバスを乗り継いでペップリー通りの日本大使館近くのビルの一室で面接を受けた。
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私はアッタポン シーチャッカーンです。
宜しくお願いいたします。
本日は日本の偉い先生方にお会い出来、さらに面接までしていただくとはとても光栄に思います。
私のようなタイ人高校生に憧れの国である日本留学の機会を与えていただき誠にありがとうございます。
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少し過剰かと思う自己紹介の後、面接では日本語を習得した経緯についてばかり聞かれた。
交換留学にあたって一番の問題は言葉であった。
英語が堪能な生徒を留学させるのだが、授業が日本語のため英語での補習授業に対応できる高校しか留学できない。
日本語が出来るタイ人高校生は皆無だったので俺のように日本語が出来るとほぼ間違いなく合格なのだそうだ。
俺は不自然にならないように注意しながら嘘の日本語習得の経緯を話す。
その場で内定をもらい、すぐにパスポートの取得や留学準備を指示された。
航空券や日本到着以降の交通手段は手配してもらえるが、パスポートの取得やある程度の現金の準備はしなければならない。
貧乏な両親にどれだけ援助をもらえるか不安だがロイエットに帰って相談してみる。