帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死したら生まれ変わってタイ人に 4話

生産機械メーカー【TKテクニカ】のタイ法人に勤務するユウイチはタイに赴任して15年の43歳独身。
いつものように下請けに接待されて泥酔し、ゴーゴー嬢をホテルに連れ込んだが、行為の最中に突然死してしまう。
目覚めたとき、何故かタイ人になっていた。
 


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第4話 タイ人男子中学生のアット


 


43歳の独身駐在員のユウイチは泥酔して処女のゴーゴー嬢とセックスして異常に興奮した結果腹上死してしまった。
そして気がついたらタイ人男子中学生に生まれ変わっていた


ユウイチが生まれ変わったというか憑依したタイ人中学生の名前はアッタポン 苗字はシーチャッカーン(ニックネームはアット)。
ロイエット県の中心部から20kmほど離れた郊外にあるタワッブリーという町に生まれ育った男子中学生。


父親は建材商店に勤める配送担当の運転手。
会社のピックアップカーを運転し客先に商品を届ける仕事をしている。

アットの家は4ライ(6,400m2)の田んぼを所有する兼業農家で、母親を中心に家族で農業も行っている。
タイの最貧県と言われるロイエットの田舎では比較的裕福な家庭であった。

アットは3人兄弟の長男で小学生の弟と妹がいた。
 
そんな平凡なタイ人中学生だったアットに突然43歳の日本人であるユウイチが乗り移ったことは家族には当然秘密にしている。 いきなり自分の子供の中身が精神年齢が43歳のおっさんに入れ替わって日本語も話せるようになれば怖いだろう。
 
日本語が話せることも両親や友達には秘密にし、アットはこれまでの記憶を頼りにこれまで通り無難な中学生生活を送るようにする。
 

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これまで馬鹿にしていたタイ人になってしまったが、折角生まれ変わったのだから未来(前世)の記憶と日本語や社会での経験を活かして絶対に成功してやろう。
 
頑張ってタイの最高学府であるバンコクのチュラロンコン大学の機械工学科を卒業して日本の大学院で修士課程を卒業してタイでエリートになってやる・・・・
 
 
 
と思ったが、現実は難しい。
 
 
 
アットが在学中の【マッタヨム】と呼ばれる教育課程の6年間は12歳から18歳までと日本の中学と高校と同じだが、タイでは中高一貫教育となっている。
 
チュラロンコン大学に入学出来る(入試を突破できる)生徒の大多数はバンコク中高一貫の有名進学校出身であり、それ以外でもチェンマイや南部ハジャイなど地方の主要都市にある有名進学校の出身で占められている。
 
中学の入学時点でバンコク進学校に入学しない限りはチュラロンコン大学への入学の道は閉ざされたも当然であるーーーと進路指導の先生に言われた。
 
 
 
タイでは日本のように大学入学試験に向けての参考書や過去問題集は売っていない。(当時)
 
ロイエットの田舎から入試問題の傾向や過去問題を入手せずにチュラロンコン大学の入学試験に臨んでも、バンコクで学校ぐるみで過去問題を独占し、チュラロンコン大学入学を目指して教育されている集団には100%勝てない。
 
 
しかも俺の通っている中高一貫校の卒業生が四年制の正規大学に進学する割合は・・・たった1%だった。(短大進学後の編入者は除く)
 
その1%である進学先も、バンコクの私立大学がほとんどで、タイ東北部の地方国立大学のコンケン大学には毎年1名いるかどうか。
 
後に大学に昇格するマハーサラカム大学、ラジャパット大学のカラシン校はまだ現在は短大なのでアットの中学から4年生総合大学への進学率は低かった。
 
アットの家庭環境を考えてもバンコクの私立大学に入学するのは経済的に無理。
地方国立大学であるコンケン大学に行かなければ労働者人生が待ち受けている。
 
すでに15歳にして、これからの人生の困難さに挫折しそうなユウイチ(アット)であった。
 
しかし勉強や将来の事よりユウイチが乗り移る前のアットにとって現在の最重要事項がある。
 
 
それは最近できた彼女【オイウェン】のこと。
 
 
将来のことよりもアットの本能がユウイチを突き動かす。
 
 
【オイウェン】とセックスがしたい!!!