帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

人を見たら駐在員様だと思え

海外で18年も沈没していると俺は完全な日本人では無くなっている。
俺が海外ボケした部分もあるが、日本自体が18年前と変わってしまっているからだ。


テレビではおっぱいを出さなくなったし、職場で高校野球の勝敗予想の賭けもしなくなった。
テレビで意見を言おうものなら右下に「これは個人の見解です」などと表示されてるし。


こんな日本で俺は今のところ今の会社で一生懸命体裁を繕いながら日本人のフリをして働いているが、人から見ると変なヤツに見えているだろう。

しばらくすれば日本に完璧に馴染むかと思っていたが、ここは全く文化の異なる異国であり、現在その文化に馴染むべく奮闘中だ。
逆に俺から見たら日本人は神経質でクソ真面目な基地外にしか見えないけど。

残念だが頑張って日本人と同じような基地外にならないと日本での社会人生活になじめないので日夜頑張っている。
俺としては海外帰りならではの視点で何かお役に立てるかと意見を言おうとした時期があるが、基本的な社会人としての心構えが間違っている俺が仕事をしても穴やミスが多く、仕事もきっちり出来ないヤツが何を言ってるんだ という扱いになってしまう。

なので最近は俺以外の人たちを『駐在員様』で俺が『現地採用日本人』だと思うようにしている。
そして仕事は一生懸命するが、必要以上に意見は言わないようにしている。

良い現地採用日本人とは駐在員様の仕事を減らすべく主体的にルーチンワークに関わっているが、会社の方針や駐在員様の意向には逆らわないし、口も出さないものだと俺は思っている。

カースト制のように完璧に異なるヒエラルキーとして現地採用と駐在員があるので現地採用として待遇が悪くてもそういうものだと納得していたので羨ましいとは思わない。(タイには死んでほしいと願う駐在員はいるが)

ということで今の会社では25歳の若手社員であっても俺以外の社員は『駐在員様』であって俺は『現地採用』だと思うようにして余計なことは言わない。
こいつは間違っていると思っても何も言わない。もしかしたら俺の方が間違っているかもしれないから。
たとえ純技術的なことであってもあくまで個人の見解なので押し付けるのは間違っているかもしれないから。


これは卑屈になっているのではなく、日本という文化の異なる国に来てしまった外国人たる俺が思い上がって「タイではこうでした!」と意見を言わないように自分を戒めているのだ。

タイにいた時に他の国からスライド転勤してきた駐在員がタイに来て「フィリピンはこうだったから!」とか「シンガポールはこうだったから!」とか言ったのを見て、こいつら本当に馬鹿だなと俺が思ったからでもある。


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