帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

優秀な人材がほしい

あなたが有名大学工学部卒の優秀な人材であるとする。
 
一流国立大学で優秀な成績を残している将来有望なエリート候補だとする。
 
したがって就職先は、国家公務員とか一部上場企業の研究開発部門に入社出来る。
もしくは規模が小さくてもすぐれた技術を持つ会社に興味を持つかもしれない。


そんな前途有望なあなたに、人材紹介会社からこんな会社の紹介があった。

 

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会社名   ベッケナー工業株式会社
所在地   東京都町田市
代表者   ヘンケン ベッケナー(ドイツ人)
設立年月日 2019年4月
資本金   1000万円
事業内容  健康器具の部品製造
従業員数  6名

役職  マネージャー(管理職)5名の従業員の管理
給料  30万円  ボーナス 業績による

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給料は新卒にしては良い。事業内容はドイツの健康器具メーカー向けに部品を製造して輸出するもの。
ドイツに親会社は無く、ドイツ人ヘンケン氏の完全なる個人企業である。
ヘンケン氏は日本語が全くできず、意思の疎通は英語で行わなけらばならない。


 



さてここで質問。あなたはこの会社に

 



    ・入社する        ・入社などありえない
 

 




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日本の受験戦争に打ち勝った前途有望なエリートはこの会社に入社などしないであろう。
他に条件の良い会社はたくさんある。

今年設立されたばかりの個人事業の会社に安定性は見いだせないし、健康器具の部品製造という新技術もなさそうで将来性ないであろう。
 
資金がふんだんにあるとは思えない社長のヘンケン氏がいつ事業をやめてドイツに帰ってしまうかもしれない。
ヘンケン氏がきちんと企業経営が出来る人かどうかもわからないし、それ以前にきちんと給料を支払ってくれるのだろうか心配でもある。


どうしてこんな話をしているかというと、この会社を

日本人個人がタイで起業した会社

に置き換えて、

優秀なタイ人の人材

を得ることが出来るか?

という問題。
 
有名大学卒のエリートタイ人の側に立って考えたものだ。

 

【エリートタイ人から見て】大企業でもなく、日本に本社があるわけでもなく、豊富な資金も無く、特殊な技術があるわけでもなく、優秀な経営手腕のある経営者でもない、従業員が数名の「ショボイ」会社に入社するタイ人は少ない。

唯一のアドバンテージが、タイは親日国であり、日本は憧れの国であるということで、【少し変わり者の】チュラ大卒のタイ人が【腰掛程度の気分で】入社してくれる。


したがって中小企業として優秀なタイ人スタッフを恒久的に雇うのは【難しい】であろう。
 


大学も出ていない46歳のオヤジの俺でもヘンケン君の会社に入社するのは嫌だなあ。
 


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