帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没者 日本に帰る-14

14年間タイで沈没しつづけた中年ロリコンデブが断腸の思いで日本に帰ることを決心してから帰国までの心境を綴る。


ータイでマジシャン赤木を目撃する


マジシャン赤木。主にスクンビットのソイ33の田舎っぺに出没し、テーブル席でトランプなどを使った手品を披露し、1回につき1000バーツの報酬を得ている特殊な日本人である。

マジシャン以外にも副業があるようで、俺がかつて働いていた会社にタイ人個人名義の100万バーツの小切手を買い取ってくれと依頼しに来たこともある。
換金できない小切手(当該当座口座に相当金額が無い小切手)を故意に発行する行為は詐欺として金額に関わらず1年以上の禁固刑となるが、マジシャンが服役していないということは誰も相手にしなかったのだろう。


タイで14年間外ごもりしている俺ですら「ドン引き」なマジシャンは心臓が強いのか、見ず知らずの日本人に向けて断られながらもマジックを披露している。

俺は職場では無能と駐在員に罵られ、年下に小馬鹿にされながら頭を下げ続けていれば月末にはささやかながら給料をもらえるが、マジシャンは運が悪いと丸一日無収入というリスクを負いながら頑張っているのであろう。



そんなマジシャンを数年ぶりにテーメーで見かけた。

初めて彼を見た10年以上前と変わらず、タイ人ドライバーの着るような紺色のシャツを今日も着ていた。

22:00の時点でマジック披露で十分な稼ぎを得たのだろうかテーメーの暗黙のルールである右回りで歩くルートの人波に逆らって左回りに歩いていた。

それにしても彼のように10年以上いつも同じ服を着ている日本人は他に居るだろうか?
会社の制服であってもズボンをスラックスに替えたり、インナーはTシャツ、Yシャツ、ポロシャツと状況により使い分けるものだ。

彼はかたくなに同じ衣装にこだわっているのだろうが、同じ服を着続けるメリットは何であろうか。


★マジシャンとして有名になるべく他人の印象に残るようにトレードマーク化している説

印象に残ることを期待するならオードリー春日のようなピンクのベストのようにもう少しカラフルなものを選択すべきなので違うかもしれない。


★自分は本当にその服が気に入っている説

この説はありえると思う。来タイ当初にこの服を着てあるいたところ、タイ人女性にウケたのかもしれない。日本人のクセにタイ人からも下層に見られるドライバー風の服装をしているギャップを笑われたのを「ウケた」と認識したのかもしれない。


これ以外に思い浮かばないが、本人が本気で気に入っている説を提唱したい。
本人に確認したいとは思わないが。



俺のようなロリコンデブ中年な上に、馬鹿で仕事以外に話をする価値すら無い(by駐在員)沈没者が彼を小馬鹿にするような記事を書くのは少し恐縮ではあるが、俺の方が少しはマシだと再認識するのであった。


バービアで定期的に散財するお前の方が心の闇が深いと指摘する友人もいる。
そういえばバービアではたいてい制服のズボンの上は白のポロシャツだ。
もしかすると俺も同じカテゴリの人間と認識されているのだろうか。
「マジシャン赤木」のように「ジングルベルロリコンデブ中年」と呼ばれているかもしれない。
早速グーグルで「ジングルベルロリコンデブ中年」で画像検索したが、俺の写真は無かったので一安心だ。



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