帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

シパトモのタイ起業10


【シパトモのタイ起業】

35歳にしてタイの風俗にはまってしまったシパトモは彼の妻に対してタイに長期滞在する理由を作るべくタイで起業する。
彼にとって必要なのは事業で利益をあげることではなく、ただタイに来る理由だけであった。



第9話 ヤマフジくん


タイに来る飛行機の隣の座席の日本人青年のヤマフジくんと話が弾んだ。なんと彼は自分と同じ大学で10年後輩だったのだ。
彼は海外で働きたいと勤務していた会社を退社し、彼の父親が現在駐在員として働くエジプトで仕事探しをするべくバンコク経由でエジプトに向かう途中だった。

シパトモはこの出会いに運命を感じ、この青年にミューミューバンコクを託そうと、エジプトで働くよりバンコクで働いた方がよっぽど良いと力説し、バンコクで一緒に事業をしようと連絡先を渡した。

その2ヵ月後、ヤマフジくんから連絡がありバンコクで会うことになった。
父親の紹介でエジプトの日系旅行代理店に就職するもエジプトの生活がなじまなかったので退社したそうだ。
ヤマフジくんとバンコクの日本料理店で簡単に食事をした後、バンコクの夜の街を案内した。

最初はナナ、ソイカーボーイのゴーゴーバー、次にテーメー、スティサン、最後はタニヤカラオケで締めくくった。
ヤマフジくんが一番気に入ったのはタニヤのアルカディアで、タイで日本のカラオケが歌えるとは思わなかったとご満悦だ。さらにノリの良かったアルカディアのチーママをホテルにお持ち帰りした。

ヤマフジくんよりも連れて帰ったチーママはアラフォーでヤマフジくんより10歳以上年上だと思うが、よほどチーママが気に入ったらしい。
なんと翌日ヤマフジくんはそのチーママとさらに大学生の息子と一緒に食事をしたと楽しそうに語っていた。

若くて綺麗なカラオケ嬢ではなくアラフォーのチーママ(でしかも子持ちババア)をホテルにつれて帰ってさらに翌日その息子(自分と年齢の近い)と一緒に食事する行為のどの辺に楽しい要素があるのか理解できない。

ヤマフジくんはかなり男前である。東京の有名大学を卒業し、英語が堪能で若くて男前だ。
チーママはアラフォーにしてはスタイルが良く(というかガリガリ)、顔には隠せないシワが刻まれている。顔立ちは整っている美人だが、キツイ性格が顔に表れている。
一般的な観点では美人であるが賞味期限切れ寸前だ。彼にチーママの何処が気に入ったのかと聞いてみると


年上の子持ちの女性って包容力があって良いですね彼女は英語もできるし
                   by ヤマフジ


彼がタイを気に入ったのなら是非バンコクに住んでミューミューバンコクを立て直してもらいたい。

彼が日本に帰国する日に以下の条件提示を行った。

★待遇はタイ法人の代表およびラチャティー店の店長
★給料は5万バーツ(労働許可・ビザ支給)
★経営に参加するからには10万バーツを自ら出資する
★会社の純利益の25%を役員報酬として支払う
★インターネット店の黒字化と、チェーン店100店舗を目指す

その場でヤマフジくんの経営参加が決まり、翌月から株式会社カウェラの代表兼ミューミューバンコクの店長に就任することが決定した。

これで何かと問題があるアルさんにはお店から距離を置いてもらうようにお願いすることが出来る。


この後タイ語が全く出来ないヤマフジんの店舗運営をチーママが全面的にサポートすることになる。
アラフォー子持ちババアのチーママは感情の起伏が激しく、よくヤマフジくんを怒鳴るのだがこの2人はその後結婚した。