帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

シパトモのタイ起業9

【シパトモのタイ起業】

35歳にしてタイの風俗にはまってしまったシパトモは彼の妻に対してタイに長期滞在する理由を作るべくタイで起業する。
彼にとって必要なのは事業で利益をあげることではなく、ただタイに来る理由だけであった。



第8話 ミューミューバンコク2号店


バンコクインターネットカフェの経営だけで利益をあげることをあきらめたシパトモはフランチャイズ展開で得られるフランチャイズ料に活路を見出すことにした。


インターネットカフェで儲けていることを知り合いなどに宣伝して回った結果、知人を介してバンコクインターネットカフェを開店したい(というかタイに来る理由を作るために何か事業を始めたい)日本の中小企業の社長さんを紹介された。


北京ダック(アルさんリクエスト)を食べながらインターネット店のフランチャイズ店第1号として以下のフランチャイズ展開およびサポート内容を合意した。

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フランチャイズ料として50万バーツ支払う対価として以下のサポートを行う。

空き店舗物件探しをサポート
★開店前の従業員教育(ラチャテウィー本店にて)
★店舗管理ソフトおよび独自オンラインゲームの提供
★日本およびタイのWebサイトで宣伝

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2号店が開店すれば50万バーツが手に入る。本来なら株式会社デルガに半分の25万バーツを支払わなければならないが、今回だけ特別に猶予してもらった。
この50万バーツで1年分のお店の運転資金の赤字補填が出来る。


シパトモさん。今回の50万バーツのうち僕とミキの取り分はいくらですか?

アルさん。当初のデルガとの合意ではタイの取り分はフランチャイズ加盟料の50%にあたる25万バーツです。でもラチャテウィー店の赤字補填があるのでアルさんの報酬はまだ出せませんよ。

私たちは店舗探しを手伝いましたし、オーナーと家賃交渉もしました。社長との会食にも付き合いましたし、少なくとも50万バーツの10%は払ってください!

社長さんとの会食はアルさんのリクエスで北京ダック専門店に行って、しかも全額社長さんが支払ったでしょ?その会食に付き合った報酬というのもおかしいですよ!

しかもその席でアルさんは社長さんに「来週誕生日なのでカムリ買ってください」と真顔でおねだりしてましたよね。
「カムリが駄目なら僕に1000万バーツ出資してください」と出資要求してましたよね。
社長さんの笑顔が引きつってましたよ!

お金を持ってる社長さんなので車を誕生日プレゼントにお願いしたらもらえるかもしれないじゃないですか。

駄目元で、場がしらけるような要求はやめてください。どういう思考で会って2-3回目のアルさんにカムリをプレゼントすることになるのです?どちらにしても今回はお店の赤字補填が優先です。

しかも今回は私が探してきたんですよ!アルさんもフランチャイズ加盟者を探してください!
アルさんが探してきた人がフランチャイズ契約すれば間違いなく加盟料の10%を払います。

僕が探してきたら50%くれませんか?

だーかーらー50%は日本の取り分ですよ。残りすべてをアルさんが取ったら意味無いじゃないですか!Max20%です。
しかしフランチャイズ料はアルさんが決めて良いので取り分を増やしたければ出来るだけ高いフランチャイズ料を設定してください。

20%じゃやる気が出ません。


鈍感で人の良いシパトモにもようやくアルさんが強欲で拝金主義な性格であることが理解できた。
アルさんは将来収益が得られる事業に尽力する気は無く、今お金がいくら貰えるか(儲かるか)のみが重要なのだ。

従って、目先にお金がぶら下がっている場合は頑張るが、店舗の集客には一切興味が無い。

しかも「金クレ」アピールが尋常ではない。おとなしくしていれば日本語力、学歴、知識、知性で人やお金が集まる要素を持っているのに、「今の金」が欲しいあまりに空気の読めない言動が多すぎる。

そろそろアルさんと距離を置くことを考えなければならない。
しかしタイに常駐できないので自分で店舗の管理やお店の現金の管理は無理だ。

他に信頼できる人を探さなければならないようだ。