帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

海外転生6-タイに行ったら本気出さなくてもやっていける

「海外転生」

それは日本で自らの行いが原因で居場所が無くなった者、能力が無く努力をしないのに自分はどうして評価されないのか現状に不満を持つなどの社会不適合者が新たな新天地として海外に活路を求め新しい人生を歩むこと。

この話はタイでなら俺でも勝ち組になれると信じてやってきた無職で職歴も無い自意識過剰な男の話。
 
 
 
「英語の話せる日本人ってタイ語を覚えないんですよね。俺ですか? ええ。まあちょっとは出来る方ですね。」(シパタケ談)




第5話 就職決定



仕事を探してもらおうと登録した赤い人材紹介会社から連絡があり、紹介ではなく自社(人材紹介会社)の社員として入社しないかと言うオファーを受けた。

恐らく俺の語学力と、面接での対応の良さが評価されたのだろう。
 
 

翌日、早速赤い人材紹介会社に向かい、前回と同じく顔がBランクで背の低い受付嬢に面接のアポがあることを伝えると、すぐに面接室に通された。
30分ほど待ったあとで面接したあの大柄な男が出てきた。
 
 

自己紹介がまだでした。私はオダです。
今回あなたに採用オファーを出したのは、日本人スタッフの急な欠員が発生したためです。
これが採用条件ですので確認ください。
 


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シパタケ  34歳
待遇:現地採用
給与:30,000バーツ(税引き後)
勤務時間: 月曜から金曜 (8:30-17:30)
手当て:無し(残業手当も無し)
賞与:業績による(前年度実績12月末に1ヶ月分)
昇給:前年度評価による
有給:タイの規定に基づき初年度4日間
その他:労働許可、就労ビザは支給
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シパタケ:
あのー日本人の最低賃金は確か6万バーツ(当時)でしたよね?6万バーツ支払わないと違法なのでは?


オダ:
確かに給料6万バーツ分の税金を納めないとビザの延長は出来ないけど税金はきちんと会社が支払うから心配いらない。
この条件で良いなら採用するし、不満なら他を探すから帰っていいよ。


給料30,000バーツか。
家賃と光熱費で10,000バーツ、通勤は歩いて通えるので実質生活費は残りの20,000バーツ。
食費を1日300バーツとすれば1か月で9,000バーツ。
残りは11,000バーツか・・・
この残金を1日当たりで割ると・・・366バーツ。
 


イカーボーイとテーメーでそれぞれビール1本づつ飲んでも300バーツ。
毎日通うことは可能ではある。
タイに来てからの純粋な生活費もだいたい1ヶ月30,000バーツだった。(女に払った金は別)
 
女に払う金はどうやって捻出しようか。
 

シパタケ:
昇給はどのぐらいあるのでしょうか?
 

オダ:
は?
そんなの君次第でしょ?
評価されれば昇給するし評価されなけば昇給しない。


シパタケ:
分かりました。この条件で問題ありません。


オダ:
そう。ならこれから社長が面接します。社長には口答えはしない方が良いよ。


はい分かりました。


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その後、オダと入れ替わりで社長が面接室にやってきた。


社長:
君が元ボクサーのシパタケくんか。
その顔が歪んでいるのもボクシングの試合でなったの?


シパタケ:
いえ元から少し歪んでましたが、ボクシングの影響もあると思います。


社長:
ボクシングで鍛えているから君は大丈夫だと思うけどウチの仕事はキツいから覚悟してね。出来れば長く勤めてほしい。
もう1店舗出すから頑張ればそこの責任者になれるよ。


ありがとうございます。頑張ります。
 
 

すんなり採用された。
早速明日の8:30に出勤となった。今日は夜更かしは出来ないが、帰りにソイカに寄って祝杯をあげよう。
 
 
 
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解説:
シパタケはまともな会社で勤務した社会人経験は無い。一般的なビジネスマナーやビジネス上の常識も当然無い。(今も無いと思う)

しかしシパタケはタイ語と英語がそこそこ出来るので、語学の出来ない他人と比べて自分は優秀だという自信があり、勝ち組でなければならないと思っている。

タイ語力」「チュラ大生」という武器を得てモンスター化したバンコク留学生日記のケイイチ様と同じであるがシパタケは
ケイイチ様よりは頭が悪いと思う。




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