帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第55話 転職(最終回)

転職 タイ沈没史第55話(最終回)


公開日 2015年1月1日 鬼奴と別れた男は転職を模索する  




以下の記事は2012年2月ごろの回想録です。


タイ沈没2,900日目ごろ


◎転職

これまで職場では独立採算制の中で自由に活動していた俺であったが、経営者が変わったことで色々と俺の行動や業務の流れに口を出される機会が増えてきた。

今思えばもっともな指摘で、社会不適合な俺に効率的且つ最適な指摘だったのだが、そのことに不満を持った俺は退職を模索するようになった。

しかも新しい経営者からは売り上げ連動のコミッション制から固定給+利益分配制への移行を提案されていた。
その提示された固定給は5万バーツ。
今の週末アルバイトで毎月7万バーツを稼いでいるので合わせればそれなりの金額ではあるが週末アルバイトは7ヶ月の期間限定だ。

たとえ給料5万バーツでも俺は十分生活していける。しかしバンコク留学生日記の勝ち組ケイイチさんが言うにはタイ現地採用でこの金額は 

人生オワタ \(^o^)/ 且つ 負け組 で罰ゲーム人生 無理ゲー 

な人生を送る悲惨な給与額とのことだ。

なのでダメ!絶対にダメ!給料5万バーツ。

↑ここをクリックすれば彼が来ます。


しかも重要なのは「会社の利益分配」と言っても、会社の税引き後利益をすべて俺がもらえるわけでもない。

会社の利益が100万バーツとして、法人税30%を引けば70万バーツ。その3割が配分されたとして21万バーツ。

年収としては60万+21万で81万バーツ。
月給換算で67,500バーツ。 
税引き後は約6万バーツ。

会社の通年利益が仮に200万バーツだとしても
年収は60万+42万で102万バーツ。
月給換算で85,000バーツ。

これまで以上に利益確保に邁進しても収入減の可能性が大であるし、利益額は駐在員の給与負担配分で操作が自由自在である。ヤツらならやりかねない。利益の30%分配ですら提示額でも合意額でも無い。

この年で今更ランシット大学の大学院に通う気力も無いし、日本に帰国しても俺が三菱商事に総合職で採用される可能性も無い。
タイ語と英語を武器に外務省の外交官試験を受ける気力も当然無い。

今の嫁と出会い、結婚する予定の俺としては生活の安定確保が急務であった。
ちょうど週末アルバイトをしていた会社の社長(タイ現地法人代表の駐在員)から社員(タイ現地採用)にならないかとしきりに誘われていた。

元々性格的に営業向きではなかった俺は技術者的な仕事の方が向いているように思う。
元々の専門分野とちょっと違うが、新しいことに挑戦するのは39歳の今がラストチャンスのような気がするので一念発起し、転職することにした。

新しい会社で提示された給料額は総支給額が10万バーツ。(
手取りは8万バーツ弱)これまでの平均収入とは若干下がった感があるが、同じ額を毎月安定的に支給され、ボーナスまでもらえる待遇だと年収としては同等以上の条件である。

10万バーツは「ケイイチさん的に」まだまだ負け犬且つ無理ゲーな給与額ではあるが、タイで廃人となり沈没して子供にまともな教育を受けさせることを放棄した俺にはとっては十分な金額だ。俺は社会不適合者でさらに馬鹿なので、もうすこしこの無理ゲーを続ける。


ということで7年半の慣れ親しんだ会社に別れを告げ、新たな一歩を踏み出すことにした。

しかしほぼ未経験(似たような業種で12年働いていたことがあるが)の39歳の現地採用に親切に教えてくれる日本人は居なかった。

当時は手探り状態で仕事をし、何も知らない状態でタイ人スタッフやお客様と対応するなど無謀だった。

しかしこの決断が正解だったと信じたい。
ちなみに社会不適合な俺は転職したその会社をたった3年半で逃げるように退職してしまった。

なので今は仕事もせずに一日中家に居て、家事や2人の子供の面倒を見ている妻に毎日帰りが遅いと文句を言われつつ、タイの別の会社で1年契約の契約社員として働いている。

3月末で今年の「1年契約」が満了するが、幸運にも契約の延長が言い渡された。

神様に感謝します。

こんな社会不適合な俺でも雇ってくれる会社があり、確実にあとは1年働けるようなので頑張ろう。

1年間はクイーンズパークに毎週通うなどの修行のような生活を続け、常にリストラの危険性と隣り合わせで不安定極まりない生活を色黒で無教養な売春婦とその連れ子と一緒に送る。

そしてランシット大学の大学院で日本語学科を専攻するハイソな日本人留学生に噛み付こう。

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