帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第26話 住む住む詐欺

住む住む詐欺 タイ沈没史第26話


公開日 2015年1月1日 タイでのひきこもり生活 ニート史 シパタイ救済スレ 最近全然クイーンズパークに行けない。体重も減らない。危険なダイエット薬を飲んでも痩せないどうしようか・・・。  



以下の記事は2011年1月ごろの回想録です。


タイ沈没2,450日目ごろ


◎住む住む詐欺


レックと別れること前提に話し合いをしたが、俺の浮気の事実を盾に取られて話し合いは途中で断念した。したがって話し合いでの別れは断念し、俺が出て行こうと思う。
しかし俺の職場をレックは知っている。
俺の部下をスパイ代わりにしているため、俺がレックから逃げて行方をくらまそうとも出勤すれば身柄を拘束されるかもしれない。

だったら今の仕事を辞めるか?

幸い、(当時の)俺はまだ30代でタイ語が堪能である。
性癖がロリコンという深刻な十字架を背負っているが、その点は黙っていれば周囲にはわからない。
道行く少女をついつい目で追ってしまう悪い癖はあるが、少女にわいせつ行為をしたい欲求を自制する理性もまだある。

今の会社を辞めて他の仕事を探すことは可能だが、今の仕事を気に入っているし、転職して収入が維持できる保証も無い。

せっかく転職して逃げても、新しい職場にレックが押しかけて修羅場になることは避けたい(事実避けられなかった)

転職しても狭いバンコクなら見つかる可能性もある。日本大使館に俺のパスポートのコピーを持ち込んで捜索されれば見つかるかも
しれない。



バンコクから遠くて見つかりにくいラヨーンの工場で働くか?



そうこう考えているとロイエットに長期帰省しているビーから連絡があった。

「3,000バーツ送金してほしい」

「3,000バーツぐらい送金しても良いけど俺に見返りってある?そっちの男に貢ぐんでしょ?」

「男などいない。信じてほしい。」

「だったらバンコクに戻ってきて一緒に住もうよ!どうせ嫁とは別れるから。」

一緒に住んでも良い。あの嫁と別れるなら。ただ今はダメだけど。」

「ヨッシャー!本当やな? 嫁と別れたら一緒に住むんやな?」

一緒に住んでもいいからすぐ送金して」


これが俺を不眠症になった原因である「住む住む詐欺」の始まりだった。
馬鹿な俺は、ビーが俺と一緒にバンコクで住むという口約束を信じて、レックと別れ、毎週のようにビー送金させるが、いつまでたってもビーはバンコクに戻ってこない。
これがビーの「住む住む詐欺」とは知らず、何度も送金しただけでなく俺の精神が削られていった。

結局騙されている俺だったが、幸いにして「レックと別れること」に強烈なモチベーションを得ることになった。

後の修羅場のことなど糞食らえとばかりに新しい住居を探すことになった。ビーと住むことを夢見て。


◎ビーへの送金の始まり


俺は毎日のようにビーに電話で話す。1,000バーツづつ、毎週のように俺が送金をしている間はビーは電話番号を変えなかった。

面倒なので一度にそれなりの金額を送金したいが、3,000バーツを超えて送金するとビーとの連絡が途絶える恐れがある。
なのでちょっと学習した俺は小まめにビーに送金するようになった。


「今一緒に住むためのアパートを探しているんだけど何処が良い?」

「どこでも良い 適当に探して」

「部屋はワンルームで良い?」

「どうでも良い 適当に探して」


「やっぱり住み慣れたシーロム地区が良いんだけど」

「どこでも良い 適当に探して」

脳が炭水化物に侵されて腐りかけて、ビーと一緒に住む未来に舞い上がっている俺としてもビーのつれない反応には不安はあった。


もしかしたらビーは一緒に住んでくれないんじゃないかと。


ある日、珍しくビーの方から電話があった。
明日私の誕生日なので3,000バーツ送金してほしい。

その日はビーの誕生日なのは間違いない。知っている。

手渡しでプレゼントを渡したかったが、仕事の関係でロイエットまで行くのが無理なので、仕方なく送金した。

誕生日当日、ビーに電話で誕生日のお祝いを言おうと電話すると、宴会中のようで盛り上がっていた。
よく聞こえないが回りは男の声ばかりだ。声が若い。
ビーは友達に祝ってもらっていると言うが、非常に不安である。

俺の送金した金で酒とドラッグを購入し、近所の若くて黒くて馬鹿だがイケメンな男達と盛り上がって最終的にはビーの乳首が左右から違う男に舐められたり、コンドーム無しで複数のチンポを交互に挿入されているのではないかと不安になった。

俺がビーに送金するたびに俺の心が傷つく。その後何度繰り返されるが、まだ俺は正気には戻っていなかった。


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