帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史題54話 鬼奴の秘密

鬼奴の秘密 タイ沈没史第54話


公開日 2015年1月1日 男は椿鬼奴似の38歳にアプローチし何度かデートするが鬼奴が普通ではないことに気づき始める  




以下の記事は2012年2月ごろの回想録です。


タイ沈没2,900日目ごろ


◎鬼奴の秘密

俺は鬼奴と仕事終わりに何度も飲みに行った。ルックスも悪くないし、豪快に飲む姿は俺には新鮮で楽しい時間を過ごした。
飲むとタクシーで鬼奴の家まで送るのだが、タクシーの中でキスをするようになった。
キスをしながら胸を揉んでも拒まない。成熟した女性に対して興奮しない呪いがかけられた俺ではあるが、38歳なのに十分アリである。

しかしセックスはしなかった。セックスしてしまうと後戻り出来ない気がしたからだ。
このころから少しづつ気になりだしたのだが、鬼奴は思い込みが激しい。何かの行き違いですぐに激情してしまう。

待ち合わせの時間に遅れたとき
仕事の都合で延期するとき

といった際に電話で連絡したときには高確率で怒り出す。

激情してしまうと最初は俺が失礼なことをしてしまったのかととりあえず平謝りに謝る。
しかし鬼奴が怒り出すトリガーがどこにあるのか良く分からない。

しかし何度か続くとちょっとおかしいかもしれないと思うようになった。

★デートの予定が変わる
★電話に出られないもしくはゆっくり話せない

といった状況では言葉を選んで話さないと怒られる。

ちょうど今、スクンビットの日本料理店で○○社のお客様と食事をしているところ。
ごめんなさい。今は手が離せないのであとから電話するね。ちゅっ。

さらにSMSで「ごめんなさい」と送信。


としなければならない。面倒くさい。


そのころ、本業に加えて週末にアルバイトをしていたので本当に忙しかった。
休みの無い状態が1ヶ月続くとストレスも溜まってくる。鬼奴からの電話に対して

今日は疲れたから寝る

と冷たく言うと、かなり汚い言葉のSMSメッセージが届く。

彼女のことを良く知るスタッフに聞いたところ、鬼奴は交通事故で頭を強く打ってから感情のコントロールがうまく出来なくなったそうだ。

何か気になったり気分を害すると自分の中で被害妄想が拡大し、激情してしまうらしい。

かわいそうな状況の鬼奴ではあるが、そんなのとずっと一緒には居られない。
居心地の良かったアイスとはかなり違う。アイスと会いたいが連絡がとれない残念なことをした。

しばらく行き違いが続いた鬼奴であったが、週末アルバイトの疲れとストレスがピークに達したころに鬼奴からかかってきた電話に対してついに俺は頭にきて怒鳴ってしまった。

怒鳴った翌日、彼女は会社を辞めた。
ちょっとほっとした。
彼女とセックスしなくて良かった。

タイで容姿が美しいが未婚の女性は何がしかの問題を抱えていると考えたほうが良いと思う。

やはり結婚するなら寛容な女性が一番だ。
年上は論外だが、20代半ばでやさしい女性を探すことにしよう。

と思っていたころに現在の妻と出会う。

写真の女性はMai Davika
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