帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第35話 ロイエットで田植え

ロイエットで田植え タイ沈没史第35話


公開日 2015年1月1日 レックと離婚交渉を成立させた俺にふたたびビーからの連絡が合った。このチャンスを活かそうと馬鹿な男は2度目のロイエットへと旅立つ。  





以下の記事は2011年5月ごろの回想録です。


タイ沈没2,570日目ごろ


◎ロイエットでの田植え

苦難のバス移動を乗り越え、ロイエットに到着した俺は出迎えてくれたビーに金のネックレスをプレゼントした。

どうして金のネックレスをくれるの?

というビーだったが、金のネックレスをもらって喜ばないタイ人女性はいないはずだ。これで高感度アップ間違いなしである。


ビーの実家に到着直後に、今回のロイエット訪問のメインイベントである田植えをするためビーの家族が所有する水田に向かった。
俺は今まで田植えをしたことは無いので社会見学的にも意味があるのでぜひ体験させてもらった。

今回は日焼け対策で、マスク代わりに使うTシャツを数枚用意している。虫除け、虫刺されの薬も万全である。

タイの一般的な田植えは手で行う。耕運機、稲刈り機もしくはコンバインは多く普及しているが田植え機はほとんど普及していない。
事前に種もみを適当に水田に蒔いておき、そこで生えた苗の塊を適当な間隔に植える作業になった。

ビーの家族の所有する水田は広さ10ライ(16,000m2)と平均的な広さらしいが、見渡す限りの水田すべてに苗を人力で植えるのは大変だ。今回植える稲はもち米である。

初めての田植えは想像以上にキツかった。
足の震えが止まらない。
体中がかゆい。
指が痛い。

腰の悪い俺は長時間腰を曲げることが出来ない。
腰の曲げを最小限に抑えるためスクワットのような屈伸をするのでかなり足がキツイ。
しかも苗を植えるのに指に力を入れないと土の中に苗が入っていかない。

土の中に苗がしっかり入らないと浮力で苗が抜けてしまう。苗をつかむ親指と人差し指に力を入れていると手もだるい
爪に泥が入って痛い。

午後になると人が増えている。親戚や近所の人が手伝ってくれているのだ。
日本人が来て田植えをするという話を聞いて見に来たついでに手伝ってくれたのだ。

この日手伝ってくれた人たちにムーカタ(タイ風焼肉)をごちそうすれば明日も手伝ってくれるという。
ムーカタなど一人300バーツ以下なので、何人でも来てくれと伝えたら総勢30人になった。

幸い30人(子供が10人ぐらい)が飲み食いしたにも関わらず5,000バーツぐらいだった。さすがロイエット 安い。


田植えに疲れた俺はビーの実家で泥のように眠れると思ったが、不眠症の俺は薬無しでは眠れない。隣でビーが背中を向けて寝ている。
折角なので寝ているビーの胸を触ると「両親に見られる!」と思いっきり拒絶された。

仕方ない。薬(導眠剤)を飲んで寝よう。


翌日。足が動かない。右手も動かない。起き上がれない。こんなにむごい筋肉痛は初めてだった。


ビーやビーの両親が田植えに出かけるも俺だけひとり終日ビーの実家で寝て過ごした。
ビーの両親には悪い印象を与えたかもしれない。


今回のロイエット訪問は田植えだけに終わった。
結果的に近所の人たちに田植えを手伝ってもらい、ビーの負担が減ってよかった。
金のネックレスのプレゼントで高感度が上がったであろう。
苦労の甲斐があったと思う。

翌日、来たときと同じように各駅停車の長距離バスに乗ってバンコクに戻った。
途中の町のバスターミナルに停車して数十分も待つのはイライラする。

停車している間にバスから出て体を動かしたいが、バスはいつ
発車するかわからない。さらにバスからでればシートの権利を失い、行きのようにプラスチックの椅子に座らされるかもしれないのでトイレにも行けない。

こんなバスの旅は人生で最後にしようと誓うのだった。



バンコクに戻った数日後、ビーから金のネックレスのプレゼントに対する報復があった。
ビーからの電話で「問題が起こったので解決のために金のネックレスを質屋に入れた。すぐに質屋から戻したいので7,000バーツ
振り込んでほしい」と酔っ払ったような声だった。

問題が起こったなら言ってくれれば援助したのに

間に合わなかった

とりあえず7,000バーツ送るけど俺と一緒に住む件は考えてね

それは出来ない。両親が反対している(嘘)


そうか両親がネックになっているのか!
両親の俺に対する態度は反対している感じは無かったのに。

よし!次のロイエット訪問ではビーの両親にアピールしよう!
両親へのプレゼントは何がいいだろうか。

ということで俺は3回目のロイエット訪問の計画を立てるのであった。
次は飛行機かVIPバスで行こう。

イメージ 1