帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第37話 水が汚い

水が汚い タイ沈没史第37話


公開日 2015年1月1日 レックとジョイとも別れた男は3度目のロイエット訪問を計画する。  




以下の記事は2011年6月ごろの回想録です。


タイ沈没2,600日目ごろ


◎水が汚い

2回目のロイエット訪問以、俺はほぼ毎日ビーに電話して会話をしている。
バンコクに来て一緒に住もうと要求すると連絡が絶たれてしまうので、高感度が確実にアップするまでは他愛の無い話をする。しかし俺がビーと会話してもあまり話が弾まない。

ビーは俺との会話を楽しむ気持ちが全く無い。
ビーは俺の話題に対して適当にあいづちをするだけなので、すぐに会話が詰まってしまう。
なので俺は常に話題を提供し続けなければ会話が終了してしまう。

ビーの声は聞きたいが、疲れる。

こいつと一緒に住んだとして俺は幸せなのだろうか?
ふと思うことがあるが、今は目標達成のために努力するのみだ。


会話に消極的で話題を提供しないビーから、その日は珍しく話題提供があった。

ロイエットの実家の水が汚い。 

らしい

ロイエットの実家の村では上水が普及していない。村の共有ため池から上澄み水をポンプでくみあげ、各家に水道パイプで供給している。
したがって、時期によってため池の水が濁るので、その濁った水で水浴びをしたり洗濯をしているそうだ。

たしかにビーの家におじゃましたときの風呂は水貯めから桶で水をすくって水浴びするタイプだったが水はそこそこ濁っていた。
雨季なので雨でため池がさらに濁って水道水も濁ったのだろう。

濁った水で洗濯や水浴びは嫌だ。

お前は生まれた頃からその水で育ったのだろう?それが今更嫌ならバンコクに来たらどうか?

と言いたいが、電話番号を変えられるのが怖いので提案はしない。


俺が何とかしてやろう


第3回ロイエット訪問のメインの目的が出来た。



◎濁った水をどうきれいにするか?

かつて日本で働いていた職場では排出される水を水処理設備を使って浄化していた。
そこでは薬品を使って濁りを強制的に沈殿させていたが、タイの田舎ではどうやって浄化しようか?
公共のため池に薬品を投入してみようか?

幸い、俺の最近のクライアントは水処理会社だ。
その社長に会ったついでにタイの田舎での浄水方法について相談した。

社長によるとそんなの簡単とのこと。

1. ヤシガラを集めて炭にする(ヤシの実のガラ)
2. その炭をおいた場所に水を通す
2. ヤシガラが無ければ木炭でも良い
3. さらに砂を併用すればゴミもろ過できる

との回答であった。
要は、ヤシガラ炭もしくは木炭、砂を置いた場所に水を通過させると炭が汚れの物質を吸着し、水が浄化するらしい。

その社長は浄化装置の概要のスケッチも書いてくれた。

よし。これなら俺でも出来る。そしてビーの高感度をアップさせよう。

俺は使える男だとアピールしよう。今でこそ営業がメインだが、元エンジニアである。

さらに両親へのアピールのために俺の学歴、職歴、能力、収入などをタイ語でまとめ、ビーの両親に渡してアピールしよう。
そしてビーとのバンコクでの同棲の許可をもらおう。

準備万端になった俺は次回のロイエット訪問の日程を定め、ロイエット往復のVIPバスを予約した。
というかミャオミャオバーのキャッシャーに予約させた。

このころ通っていたのがクイーンズパークにあるミャオミャオバーである。
このミャオミャオバーのオーナー兼ママさんはロイエット出身で、バーテンやキャッシャーは身内なので当然ロイエット出身
バービア嬢もロイエット出身者もしくは周辺出身で構成されている。

このミャオミャオバーのロイエット出身者のバービア嬢にイサーン語を習ったり、イサーンのルークトゥンを覚えたり、ロイエットの観光地の情報提供を受けている。

イサーン地方やロイエットに対して知識を増やし、ビーとの会話に役立てよう。



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