帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第29話 レックと戦う1

レックと戦う1 タイ沈没史第29話


公開日 2015年1月1日 レックからの追撃を逃れてロイエットに避難していた男はバンコクに戻ってしばらくは平穏な生活を送るが、ついにレックと対決する時がきた。  




以下の記事は2011年5月ごろの回想録です。


タイ沈没2,570日目ごろ


レックと戦う1

週末のロイエット旅行から戻った俺は通常通り勤務しレックからの追及も無くしばらく平和に過ごし居ていた。

ホテルからアパートに引越し、念願のビーとの同棲生活の準備は万端である。
引越し祝いに、タニヤからカラオケ嬢を連れ出して新居でお泊りしてもらった。こういうことはレックと住んで以来、6年ぶりで新鮮だ。

ビーに電話で新居が準備万端なので、すぐにバンコクに戻って来いと連絡すると来週にはバンコクに行くという。
ビーとの念願の同棲が叶う来週が楽しみで仕方が無い。


うれしいニュースの数日後。
その日はお客様とのスクンビットでの会食だったが会食中にレックからの着信が鳴り止まない。
仕方なく電話をとると、レックは会社の事務所で待っているから来いとのことだった。
その後も15分毎にレックからしつこく電話がかかってくるので会食を早めに切り上げ事務所に戻る。

誰も居ない事務所の俺のデスクにレックは座っており、俺のパソコンを勝手に使っていた。

そしておもむろに


「証拠を見つけた」 


レックは言った。

俺のパソコンのモニターには先日ロイエットで撮影したビーの写真があった。


「これはあなたがロイエットに女に会いに行った証拠だ!」



・・・・・


証拠も何も俺は先週末にロイエットに行った。

ロイエットに行ったことと、俺がレックの元から逃げ出したことは別件である。



なので


俺はお前の元から逃げ出した。

逃げ出したということは別れたということ。

お前の元には戻らない。

すなわちフリーだ。

フリーなのでロイエットに行ってビーに会おうとお前に関係ない。


と説明し、お前に非難される言われは無いと言い放った。


俺の言葉を聞いてレックは暴れだした。

具体的に言うと事務所の机の上の書類などを投げ散らかした。

パソコンや会社の備品に影響が無いなら勝手にやってよと、それを俺が冷ややかに見ていると、給湯室から果物ナイフを持って来て手首を切るという。

本当に切られると面倒だ。

なので止めるもレックは暴れだす。

レックからナイフを奪う際にレックの指が多少切れて血が流れるが、レックは落ち着きを取り戻した。


浮気に対してタイ人の女性がナイフを持って暴れるというニュースをひとごとのように聞いていたが、いざ目の前でやられるのは嫌なものだ。

とりあえず落ち着いてレックと今後のことを話し合おうと、レックと住んでいたアパートに向かうことにした

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