帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史27話 脱出

脱出 タイ沈没史第27話


公開日 2015年1月1日 レックとの望まなかった6年間生活に区切りをつけ、ついに男は自ら出て行くこと計画し、実行する。  



以下の記事は2011年2月ごろの回想録です。


タイ沈没2,480日目ごろ


◎脱出計画



レックと別れる為に俺は出て行くことにした。
出て行くに当たり方針が決定する。

★転職しないのでひきつづきシーロム界隈に住み続ける
★レックが乗り込んでくると危険なので一時的にホテルに避難する
★1ヶ月をめどに新しいアパートに引っ越す

1ヶ月間ホテルに避難するのは、レックは俺がいなくなると今のアパートの家賃を維持できないので、家賃の安い郊外か田舎に引っ越すまで待つから。
ホテルへの一時避難によって引き続き俺は住み慣れたシーロムに住み続けることができる。

★さらに万全を期すために決行は金曜日の早朝とし、土・日・月と3連休を利用し避難がてら旅行に出かける。 
★旅行先はもちろんロイエットである。

★木曜日までに持ち出しても目立たない荷物をすべてホテルに運び出す。
★金曜日の早朝に荷物をまとめて出て、そのまま通常通り出勤する。
★午後に気づいたレックが会社に押しかける可能性があるので午後は出張する。
★終業後にモチットの長距離バスターミナルからバスでロイエットへ。
★ロイエットで2泊し、夜行バスにてバンコクに戻る。
★火曜日は朝から通常出勤。

綿密な計画をたてて、ついにレックから逃れる日がやってきた。


◎計画実行

--計画実行当日(早朝)--

昨日は良く眠れた。このアパートで、レックと同じ部屋で寝るのはもう最後だ。
予定通り荷物をまとめて出て行く準備をする。ふと目に付いたのは掃除機だ。

結構値段の高い掃除機だったが、吸引力が強くお気に入りだったのでこいつも連れて行こう。

車は要らないので置いていく。ローンも残っていてレックが払い続けるのは無理だから売るであろうが、残りのローンを支払ってもそこそこ残る予定だ。

バックを2つとスーツケースと掃除機を持って早朝のシーロム通りを歩く。
朝の7時なので出勤する人も増え始めた時間に大荷物と掃除機を持って移動するのはすこし恥ずかしかった。


その日は普通に出勤し午前中は事務所で通常業務をこなす。夜中までチャットサイトに夢中のレックは午前中はまず起きて来ない。

そろそろ気づく午後にはチョンブリーの客先に行く予定だ。さらにチョンブリーからは直帰の予定である。



--計画実行当日(午後)--

チョンブリーからバンコクに戻るタクシーの中でレックからの何度も着信があった。もちろん無視。
モチットのバスターミナルでロイエット行きのバスに乗ってからレックからの電話をとる。

どうしたの?どうしてあなたの荷物が無いの?

お前とは住めないから出て行く。(ガチャ!)



一言で電話を切ってから電源をオフにした。次に電源を入れるのは火曜日の朝である。



レックは俺の部下から情報を元に周囲のホテルを探し回ったらしい。そして俺の借りたホテルの玄関前で土日の夜遅くまで俺を待ってたそうだ。予想通りの展開だ。

翌朝、夜行バスはロイエットに到着した。

予定通り、ビーはバスターミナルに迎えに来てくれた。

こうして俺の第1回のロイエット訪問が実現した。(ロイエット訪問はあと3回)


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