帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第18話 基地外に刃物

基地外に刃物 タイ沈没史第18話


公開日 2015年1月1日 タイでのひきこもり生活 ニート史 シパタイ救済スレ オプティマスダン ニットとゲーがうざい ママは気味悪い 行く気が失せた バービア狂日記 やっぱりムックちゃんは連れ出し不可だった ピーナツ売り減った  



以下の記事は2010年3月ごろの回想録です。


タイ沈没2,150日目ごろ


自動車の購入

俺は仕事で郊外の工業団地に行くことが多くなった。
会社の共用の車を使うには事前予約とか使用者の調整が面倒なので自家用車を買うことにした。

自家用車を会社に毎月15,000バーツでレンタルするという形をとってもらえるので、毎月のローンを15,000バーツに設定すると、会社から支給されるレンタル料と相殺できる。
3年ローンで毎月15,000バーツに設定すれば頭金20万バーツ分を自己負担するだけで自家用車が手に入り、ガソリン代も理由があれば私用でも経費扱い可能と非常に「おいしい」話なのですぐに決断した。

ローンを組むということで車の名義はレック(嫁)となった。
俺が自動車を購入するまでの経緯や会社とのレンタル代の交渉や、そもそも俺が頭金を出すことには関係なく、車の名義が「自分(レック)」であるということでレックの脳内にあるスイッチが闇側に切り替わった。

レックにとって「自分の車」の誕生である。

これ以降、この車の優先使用権やデコレーション、運転の仕方に至るまでレックが事あるごとに無意味な主張するようになる。



車に対するレックの主張



★車があるので極力車を使うべきである
俺は毎日郊外に営業に出るわけではない。週に1-2回であり、普段は
シーロムのソイ7にある自宅からシーロムソイ6にある事務所に通うだけだ。
しかしレックは自動車通勤すべきであると言う。
自宅から歩いて10分の距離なのに。

会社から仕事でバンナートラッドなどのサムットプラカーン方面に出る場合は会社の駐車場から出発して渋滞するシーロム通りを横断するよりも会社から歩いて自宅の駐車場まで行って出発する方が早いにも関わらず。

不便とか時間がかかるからではない。「自動車通勤をしなさい。なぜならここに車があるからだ」と。

朝の通勤時間帯にシーロム通りを横断するには30分以上かかるので時間とガソリン代の無駄でもあると言えば・・・

★ガソリン代は会社負担だから問題ない
利益を追求する会社の一員として利益をあげるための費用は仕方が無いが、時間を無駄にする自動車通勤にコストをかけるべきではないという理論は通用しなかった。

しかし毎日会社まで歩くことの健康的理由については渋々納得したようだ。
しかしお前こそ多少は運動しろよ。

★あなたが車を使わないなら私が車で通勤する
ヤツの思考原理が理解不能である。
確かに、家でごろごろしながらお金を要求するレックに対して
「コミッション制で働く俺のサポートをすれば俺の収入が上がるから、上がったコミッション分を分け与えるから働かないか」という提案は以前にレックにはした。

その提案に対して中途半端に手伝って結果は出ないだけでなく、俺の部下に対して偉そうにしたり、慰労会の会費をせびったりするだけの出勤するだけだったので出勤はお断りするようにした。

ここにきて車が手に入ったという理由から俺の反対を押し切って車で出勤するという。邪魔だ。氏ね。

★車は友達に見せびらかさなければならない
この部分はいかにも見え張りなタイ人なので理解は出来る。
しかし俺の郊外出張予定があるのに「友達の家に行く」という理由で勝手に車を使用し、俺がタクシーで得意先まで行く羽目になったのは困ったものだ。

あまつさえ、レックは免許取立てなのにバンコクの中で運転難易度の高いセントラルワールドの交差点に出向いて、タクシーと事故を起こした。購入1週間の新車なのに。

事故について追求しても、車両保険があるから大丈夫。私は悪くないの一点張り。
俺が仕事で使う予定を無視した点と新免で行くべき場所でない点の回答も保険があったから大丈夫とのこと。

エンジンブレーキの使用禁止
高速道路の料金ゲートなどで急減速する際はエンジンブレーキを使用するのが望ましいとされる。
エンジンブレーキを使用すれば一時的にエンジン音が大きくなる。
エンジン音は大きくても何も不都合は無く、ブレーキの負担が軽減されるので俺は基本に従ってエンジンブレーキを利用しているが、エンジン音が大きくなる行為は「車に良く無い」という主張をどうしても譲らない。
友人が使っていないという根拠に対してエンジンの構造やブレーキの仕組みを語っても無駄だった。


★キックダウンの使用禁止
オートマ車ではアクセルを踏み込むと自動的にギアが1段下がる。
この際も一時的にエンジン音が大きくなるので車に良く無いという主張である。


自分の車なので自分の想いが反映されるべきという。そもそもレックは物欲が深い。そんなレックに自動車を与えてしまった俺が悪かった。

残念ながらこの2年後、ローン支払いが終わるのを待たずに、レックはこの車を売却することになる。
売却したお金でレックは美容整形するのだが、このお話はまだ先である。

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