帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

タイ沈没史第32話 レックと戦う3

レックと戦う3 タイ沈没史第32話


公開日 2015年1月1日 ビーに再び捨てられた男は精神安定剤を飲みながら悲しみを癒していたところに再び復縁を求めるレックとの戦いを強いられる。果たして男はレックと分かれることが出来るのか?  





以下の記事は2011年5月ごろの回想録です。


タイ沈没2,570日目ごろ


レックと戦う3

自殺騒ぎから1ヶ月後、またレックから電話がかかってくるようになった。
やり直そう。これまで悪かったところは全部直すから と。

断言出来る。こいつは天性の怠け者で性格も悪い。なのでビーと音信普通になってもレックとやり直す気は無い。しかしこれ以上レックにつきまとわれるのも嫌なので打開策を検討すべくレックの現在の状況を聞いてみた。


★未だに同じアパートに家賃を滞納しながら住んでいる
★車のローンも未払いのまま
★収入源を失ったのに仕事も探していない


まずい。このままおなじアパートにレックが居座ると家賃や電話代諸々の取立てが俺のところに来る。
車のローン支払いも俺のところに来るかもしれない。

大至急レックには引っ越してもらうのと、今後俺に迷惑をかけないよう自立を促すように指導することにした。

以下のミッションを成し遂げたら復縁を考えてあげなくも無いと。(嘘)

★家賃の安い場所に引越しなさい
★仕事を探しなさい
★車を処分してローンも完済しなさい

復縁をほのめかせたせいか、ありえない勢いでレックはミッションを3つとも1ヶ月でこなしてしまった。
その勢いで復縁を迫るレックに対して、全くその気の無い俺は再度別れを通告するためにレックを食事に誘った。



2ヶ月ぶりに見るレックはかなり痩せていた。床の洗剤を飲んだことで胃壁が傷み食事をするたびに苦痛なので
ほとんど食事をしていないそうだ。(1年後には元のように太った)

穏やかに進む会食の後に、雰囲気が良くカップルの多いチャオプラヤ川沿いでレックに通告した。

★この6年間、俺はお前を愛したことは無い
★お前と居るだけで苦痛だ
★お前の顔を見たくも無い
★ビーと別れても復縁はありえない(音信不通なので別れたも同然だが)


それに対してレックは俺の浮気のことやかまってくれなかったことで応戦。
チャオップラヤ川の川べりの公園で数分間怒鳴りあう。

デブで自己中で性格の悪いレックと怒鳴りあうのも馬鹿馬鹿しくなり俺は「帰る」と宣言し早歩きで歩き出した。
レックは文句を言いながら付いて来る。付いて来るなと怒鳴る俺に食い下がってついてくるレック。
最後は全力疾走で逃げてレックを振り切りタクシーに乗り込んだ。

この日は初めてレックに俺の正直な気持ちを告白してスッキリとした。


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