帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

【シパタイ風】タイ沈没史第13話 レックの浪費と金策

レックの浪費と金策 タイ沈没史第13話


公開日 2015年1月1日 タイでのひきこもり生活 ニート史 シパタイ救済スレ ジンビームナーム 若い女の子専門 容姿不問年齢重視 バービア狂い ドノーと ローラ バンコク留学生日記 ケイイチ シパタイ タイでOL イトゥー クイーンズパークプラザのバービア タイ自分史   

 

以下の記事は2008年10月ごろの回想録です。


タイ沈没1,800日目ごろ


レックの浪費事情

シーロム界隈の会社で働いていたころの俺の収入は俺自身の月間売り上げに連動した完全歩合制であった。
売り上げ額が大きかった翌月の収入は結構良かった。逆に不調な月では家賃や生活費を差し引くと赤字になる月もあったが、年間で平均すると現地採用としてはそれなりに多い収入ではあったと思う。

レックとの生活を始めるにあたって、生活費を除いて純粋なレックのお小遣いの金額について協議した結果2万バーツ/月で合意した。


嫁のレックと援助交際
ジョイに毎月お小遣いを2万バーツづつ渡して、家賃と生活費、自分のお小遣いを差し引いても年に数回は近隣国に旅行する余裕があった。(その頃は貯金するという概念は無かった)


ジョイへのお小遣い(毎月の手当て)は、すべて家と車のローンに消えていたが、レックへのお小遣いの遣い方もすごかった。

宵越しの金を持たない江戸っ子気質のレックは財布の中に1,000バーツ札があると眠れない病を持っていた。
当然のごとくお小遣いの支給日から5日以内には毎月すべて使い切っていた。

お金の無くなった残りの25日については以下の4つの方法を自在に使い分けてお金を生み出していた。

★俺にねだる
★ローンでお買い物する
★他者に立替させてそいつから俺に請求させる
★俺に関係する他者から金をまきあげる



★俺にねだる
俺にねだるには買い物をする理由とお金が無い理由を聞かれ、さらに金が無い理由としての馬鹿な回答や、ばかばかしい買い物をする案については俺に文句を言われつつ拒否される。
しかも回数を重ねるたびに許可される頻度が落ちてくるため、めったに使わなくなった。


★ローンでお買い物する
その次に多用するのがローンでの買い物である。
レックは消費者金融のEasy Buyのカードに加入しており、お金が無くてもほしいものがあれば、売り場で10回もしくは12回のローン契約を組める。
そのローンが俺のところに翌々月から毎月請求される仕組みだ。

レックはたいてい10回払いを利用して1万バーツ程度のお買い物をする。
最初の頃の毎月の1,000バーツや2,000バーツの支払いは文句も言わずに処理してやった。
それが次第に増えて5,000バーツを超えた時点でレックのお小遣いを強制的に5,000バーツ減らした。
そしてこれ以上増えたならさらにお小遣いを減らすと通告した。
すると次はレックは俺の信用を利用する策に出た。


レックの金策


★他者に立替させてそいつから俺に請求させる
買うものはその後に生み出した技が、メイドに支払わせることだった。
メイドと言っても親戚(いとこの妻)で、俺の家に住み込みで家事をしていた。

お金が無い状態では市場やデパートに行くときにメイドを伴う。そして何かがほしいときは購入し、メイドに払わせる。
メイドといっても彼女の旦那であるレックのいとこは、一般企業に勤める営業職のサラリーマンで、そこそこ営業成績が良いため、歩合給込みで20,000バーツを超えるそこそこの収入である。

したがってメイドといえどもそこそこお金を持っており、199バーツの靴などの立て替えは日常茶飯事で、俺もめったに食わないアメリカンチェリーや、購入意図が理解できない象の置物といった素敵な商品をメイドと一緒に出かけて購入し、全額をメイドに支払わせる。
その後メイドから俺に請求する。

メイドに払わす時点で、メイドには所持金額が足りないという理由以外に拒否権が無い。
メイドから俺への請求では俺には拒否することは難しいし、金額も1,000バーツ前後なので渋々支払うことになる。
レックに対して激怒するほどの金額でも無いので渋々支払ってやる。

この技を何度も使うと俺が激怒することを察してか、次の標的は俺の部下となった。
会社の飲み会にレックが同伴した際に俺の部下のタイ人の連絡先を交換し俺の仕事上の部下にもこの技を使った。
「昨日あなたの奥さんに立て替えた2,000バーツを払ってほしい」と。

この技は禁忌とされているから二度と部下には使うなと俺が怒鳴ってからは稀にしか使わなくなった。しかしレックは次なる策を実施する。



ノルマクリア達成を祝って売り上げの多い月は俺が部下に食事を振舞うのが恒例となっていた。
この食事会に部外者のレックは必ずといって参加していた。俺が誘わないときでも。

後に判明したことであるが、この際に部下からレックは会費を徴収していたことだ。
俺が主催で俺が部下を慰労する飲み会でだ。

慰労会なので俺のポケットマネーで部下を慰労するという趣旨の食事会で裏で会費徴収という行動ですべてを台無しにし、俺の金を使って部下の士気を下げたのだ。

「みなさん!今月はよく頑張ってくれました!今日は存分に飲み食いしてください!」
なんて冒頭で挨拶する俺は馬鹿である。

俺のチームの士気が上がれば営業成績も上がる。営業成績が上がれば俺の収入が増え、結局レックの収入も増えるのだが、レックにとってはそんな未来の出来事よりも目先の2,000バーツが何より大切だったのだ。(会費は場所により1人300-500バーツでメンバーは5-10名)

何を大切にするかは個人の自由であるが、こんなレックの行動により俺は元から好きでもなかったレックのことを強く憎むようになっていく。

そしてその後に出会う女性が、俺が数年間振り回され、ついにレックと別れることを決意させた女【ロイエットのビー】である。