帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

【シパタイ風】タイ沈没史第5話 過酷な就職活動

過酷な就職活動 タイ沈没史第5話
 
 
公開日 2015年1月1日 タイでのひきこもり生活 ニート史 シパタイ救済スレ アソーク屋台 ソイゼロ ドンムアン空港 大渋滞 テーメー常連者 スティサーン   
自称タイ上級者 タクシン ほりえもん ハリウッドラチャダー ヤワラート金行 
 
 
 
以下の記事は2004年4月ごろの回想録です。
 
 
タイ沈没160-200日目
 
 
男は会社の経営が苦しいことを知り退職する
 
デング熱で1週間入院してからさらに3週間ほど自宅療養してから仕事に復帰したが、勤める会社の経営状態が悪く復帰直後から給料の支払いが遅れだした。
 
先月は10日の遅れだったが、今月は15日遅れており俺の3倍の給料額の日本人に到っては給料支払いが3ヶ月も滞っているそうだ。
かなり前から会社の資金繰りが悪く、下請け業者や労働者に対する賃金支払いの遅れに対して苦情や座り込みを毎日のように対応するハメになった。
 
ただでさえつらい仕事を無給で行いさらに下請け業者や労働者に支払いについて苦情を言われながらこの仕事を続ける義理も無いので、そろそろこの会社ともお別れすることにする。
 
社長に退職の意思を告げるとあっけなく了承され、その瞬間から引継ぎも無く職場を去った。
 
 
 
判断力欠如の男はレックと暮らし始める
 
デング熱に冒されてから、異国の地でひとりで生きていくことに不安になった俺はとりあえず世話をしてくれて、おとなしくて控えめで従順な印象だったレックと暮らし始めた。
 
暮らし始めてからしばらくして、レックは徐々に本領を発揮しはじめたが、本人は良かれと思っているようなので俺は様々な妨害行為を許容しながら暮らしていた。
 
 
妨害行為① 面接妨害
無職となった俺にはそれなりの蓄えはあったが、すぐに仕事を探すべく人材紹介会社に再登録を行った。
再登録後に紹介された会社はラヨーン県のイースタンシーボード工業団地内にある鋼材加工工場だった。
 
日本人営業を募集しているとのことで、未経験職種ではあるが贅沢は言えないので面接に向かった。
レックは病み上がりの俺がひとりでラヨーンに行くのが心配だとついてくると言い出した。
 
紹介された会社での面接が午後3時からなので、12時にレックとエカマイのバスターミナルで待ち合わせをしていた。
バンコクからラヨーンの工業団地に向かうなら普通はタクシーで行くべきだが、レックが長距離バスが安いというのでエカマイのバスターミナルを利用することとなった。
 
待ち合わせ時間になってもレックは来ず、携帯に電話するも今向かっているの一点張り。何度連絡しても渋滞しているが今向かってるから待ってというだけ。
不安に思いながらひとりでエカマイのバスターミナルで待ち続けること1時間半 レックは到着した。
 
 
今から出発しても完全に遅刻である。ラヨーンに向かうバスの中で俺は怒りが収まってから遅れた理由をレックに聞くと、待ち合わせの時間の時点でサトーン通りの有名な「変わらずの信号」につかまっていたそうだ。
 
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ジャルンラートとサトーンの交差点の信号はジャルンラートからサトーンに進入する信号が10分に1度、10秒間だけ青になる。
だから渋滞時につかまると延々と待たされるので有名である。
 
約束の時間を過ぎた状態での現在地が「サトーンの変わらずの信号」の中で、そこからそのままタクシーでエカマイに着くまでにどの程度時間がかかるかを考えず、「渋滞だから仕方が無い」「待て」と言うのは現状認識能力が無いのか、採用面接に遅れることについてはクソ食らえなのか。
 
 
待たせることや面接を台無しにすることより俺をひとりでラヨーンに行かせることを回避したかったようだ。
その上で(どや顔をしながら)機転を利かせてアソークからエカマイまでBTSを使って時間短縮したと言われても困った。
 
約束の時間に遅れること1時間。なんとか紹介先の企業で面接をしていただけた。
勤務地がラヨーンで、この給料(5万バーツ)だと応募者が少ないので来る者は拒まずといった感じだった。
面接では地味で忙しい仕事で忍耐が必要だとしきりに言っていたので割に合わないだろうと翌日お断りすることにした。
 
 
妨害行為② 犬を飼い出す
勤務地不問・職種不問で職探し中に、レックはいきなり犬をわざわざ2,000バーツも出して混血プードルを買って来た。雑種に近い仔犬を2,000バーツで。
その時点ではサムットプラカーンのパパデンのアパートに住んでおり、そこはペットOKだった。
 
失業中で、仕事が見つかり次第に引越しすることが必然なのに犬を買って来るのは妨害行為以外にありえない。
この後、引越し先を探すたびに犬が足枷になり難航することになり面倒な通勤を余儀なくされる。
さらに1年後にレックはペルシャ猫を衝動買いして波乱を起こす事になる。
 
この犬のおかげで就職が決まってから犬を飼っても良い条件のアパートが見つからず、過酷な通勤を何週間も強いられて以降、この犬が嫌いになった。
嫌いなので、犬にレックの大事にしている香水をかけたりしてイジメたため俺を嫌うようになった。
 
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同棲直後からこのように(本人は良かれと)妨害行為を行うレックに悩まされる6年間の幕が開けた。