帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

【シパタイ風】タイ沈没史第4話 終わりの始まり

終わりの始まり タイ沈没史第4話


公開日 2015年1月1日 タイでのひきこもり生活 ニート史 シパタイ救済スレ アソーク屋台 ソイゼロ ドンムアン空港 大渋滞 テーメー常連者 スティサーン 自称タイ上級者 タクシン ほりえもん ハリウッドラチャダー ヤワラート金行 

 

以下の記事は2004年2月ごろの回想録です。


タイ沈没150-160日目


男はタイに来てはじめて体調を崩す

今朝から調子が悪い。体がだるく悪寒がするので仕事終わりに近くのクリニックに行こうと近所にいるモーターサイに乗る。

俺:
クリニックに行って下さい。


モーターサイの運ちゃん:
どこのクリニック?
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俺:
どこでもいいのでクリニックまでお願いします。



モータサイ:
だからどこのクリニック?名前を言わなきゃ行けないよ。

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俺:
いや・・クリニックの名前はわからないけど調子が悪いのでクリニックならどこでもかまいません。あなたの知っているクリニックならどこに行っても良いです。


モーターサイ:
だーかーらークリニックの名前を言えよ!
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しまった!この調子がクソ悪いときに馬鹿なモーターサイにつかまってしまった。お前はRPGの村人か!行き先を具体的に告げないと行けないヤツだった。
他のモーターサイの兄ちゃんに助けを求めてなんとかクリニックにたどり着く。

クリニックで30秒ほどやっつけ仕事で診察されてすぐにインフルエンザと診断され、薬と共に帰宅し早めに寝ることにした。
しかし薬を飲んでも激しい頭痛に悩まされほとんど眠れなかった。

翌朝も体調は最悪だった。仕方なく今日は仕事を休むことにした。食欲も無い。頭痛もひどい。最悪だった。


男の体調はますます悪化する

1日安静に過ごしたが、体調は悪化する一方だった。食欲は全く無く近所の屋台のおかゆすら食べられない。
頭痛がさらに激しくなり頭にフランケンシュタインの頭に刺さっているボルトと同じように俺の頭にボルトが打ち込まれているような感覚だった。
クリニックでもらった薬を飲んでも全く良くならないし、夜も頭痛で眠れない。

悶絶すること2日間。ついに意を決してバンコク病院に行くことにした。
日本を出発する際に半年間の海外傷害保険に加入していたが、この時点ですでに半年が過ぎて無保険状態になっていたが選択の余地は無かった。一流病院に行かないと命に関わるかもしれない。

診察を受けて2日間悶絶したことを伝えると即入院となった。


病名はデング熱

デング熱とは蚊が媒介する感染症で、発熱や頭痛や発疹の症状が起き、血液中の血小板が減少するため重症になると血液凝固障害や毛穴からの出血によるショック死に至る病気。
根本的な治療方法が無く、症状への対処方しかない病気である。
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異国でよくわからない病気にかかって入院したことで不安になり男はとりあえず連絡のつくレック(事務員に紹介された23歳プラチンブリー出身の女性)に連絡した。
この時から6年間、全く愛していないレックとの無意味な生活が始まってしまう。

どうしてオイには連絡しなかったのだろうか。その時はレックの方が良いと(デング熱に侵された脳は)判断してしまった。
連絡を受けたレックは仕事を休んで泊り込みで付き添ってくれた。(恐らく打算から)

デング熱に侵されて弱った俺の脳はパニックになり下記の命令を発したのだ。


「異国の地でひとりで過ごすのは危険だ。早急にパートナーを探して一緒に生活しろ!」


・・・と。
この日から俺の人生の終わりが始まろうとしていた。