【バンコクの陽炎風】クイーンズパークの陽炎 第1話
【バンコクの陽炎】
2000年ごろに有名だったネット小説。主人公である滝沢は商社の駐在員で、ソープ嬢やタニヤ嬢などの女性にクールに対応しつつも翻弄される物語だ。
尊敬するケイイチ様が華麗にクイーンズプラザを楽しむ【バンコクの陽炎風】小説
クイーンズパークの陽炎
第一話 ルーマーズバー
寺澤がスクンウィット最大のバービア街であるソイ22のクイーンズパークに着いたときは折からのスコールの影響で店内は停電だった。
夕方のバービアは客がまだ少なく、ファランがカウンターでちらほら座っている程度だ。
クイーンズパークのソイ2の入り口ではバービア嬢達が声をかけるが寺澤はわき目も振らずまっすぐにバービア街の奥に向かって歩いていく。
「寺澤さん! ここ!ここ!」
後ろから声がする。声のする方向に加藤を見つけカウンターに寄っていく。
加藤の隣で飲んでいる女は小柄で色黒でいかにもイサーンから来ましたという女だ。
寺澤は一目でこの女が経産婦だとわかった。恐らく20代半ばだと思うが、ゆるんだ体型としわの多い指先から子持ち感が漂っている。
加藤の隣の女は席に着く寺澤に微笑んでワイ(合掌)をしてきた。
寺澤さん!いい女でしょう?
加藤は同じ会社の後輩だが寺澤より2年前からタイに着ておりバンコクの繁華街に詳しい。
寺澤は微笑んだだけで否定も肯定もしない。
(フン!子持ち娼婦か)
店のママが寺澤に飲み物は何を飲むか聞いてきたのでジンビームを注文する。
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しかしパタヤでは今も多くのバービアがあり、タイ最大のバービア密集地を形成している。
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子持ちのイサーン女といちゃつく加藤と適当に会話しつつ飲んでいると、カウンター内のババアが寺澤に話しかけてきた。
あなたイケメンね。店の女の子があなたの隣に座りたがってるけどどの娘がいいかしら?
半径1mに近づくだけで吐き気がする。氏ね!このババア娼婦たち
右から2人目の娘をお願いします。
寺澤は内心とは裏腹に、クールに答えた。
はじめまして!私はプローイ。あなたのお名前は?
俺は寺澤だ。寺澤ケイイチ。「ケイ」と呼んでくれ。
ピーケイと呼ばせてもらうわ。
プローイはナコンサワン出身で26歳。こいつも経産婦でシングルマザーに違いない。(子持ちのババアか不潔だ)
ピーケイ 私も飲んで良い?
バービアのほとんどが所属するバービア嬢に給料を払っていない。バービア嬢の主な収入は客から飲ませてもらったドリンク代の一部を店からキックバックしてもらった金である。
ここでドリンクを飲ませないと言うことはこのバービア嬢にあっちへ行けと言うのと同義である。
当然だろ。好きなものを飲んで良いよ。
あなたジャイディー
こんな子持ちババアに飲ましても金の無駄であるが素直にホームケムはさせておいた。