帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

クイーンズパークの陽炎 第19話 プローイの失踪

พี่เคอิ
ฉันรักพี่เคอินะแต่ยู่คลับคุณไม่ได้
เพราะว่าพี่เคอิไม่มีรายได้แล่ไม่ไห้ชวยฉัน


寺澤が仕事を終えてアパートに戻るとフランケン君にこんな置き手紙を渡された。
プローイが娘と一緒に出て行ったようだ。しかもフランケン君を置き去りに・・・・・。

 



十分な教育を受けてないプローイの文章はところどころおかしい。
語彙も幼稚だ。僕が学んだジュラーロングコーン大学のタイ語集中プログラムでは3ヶ月目ぐらいで作文したぐらいの文章である。

これまでの同棲相手に、もう少し事情説明や釈明することも必要だろうし、置いて行くフランケンについても何かがしか言及するのが当然だろうがたったこれだけの文章だ。説明する文章力が無いのか、説明したくないのか?

出て行かなければならない原因は僕が十分な収入を得られる仕事に就かないためと、プローイの仕送りのための援助が少なかったかららしい。
そもそも仕送りする理由は田舎に預けている2人の子供を養うためだが、僕がタイに来てからは子供を2人とも引き取って僕が面倒を見ている。

田舎の親は扶養責任が無くなっても、仕送りという現金収入の既得権を失うのが嫌らしく、引き続き同額の仕送りを要求していた。
それに対して僕が拒否したことが原因だとプローイは置手紙に書いている。

しかしチェンライに来て以来、プローイはバービアで働き始めていたが、たびたび朝帰りするし、こそこそラインで会話をしているし、ファランでもつかまえたのだ。


肉割れの子持ち中年娼婦と付き合う僕もどうかしているが、その中年娼婦に捨てられる僕は悲惨だ。自分自身に同情したい。

かつてはイケメン駐在商社マンとしてスクンウィットのソイ22のクイーンズパークではイケイケだった僕は、女の子にドリンクを奢るたびにバービア嬢にチヤホヤされていた。
鐘を鳴らすたびにバービア嬢からの歓声を受けていた僕だったのに・・・。

 


プローイは僕のアパートから出て行くに際して何かと利用価値*(注1)のある娘は同行させたが、お荷物のドイツ人ハーフのフランケン君は僕に押し付けた。

それにしてもフランケン君とは数ヶ月間一緒に住んでいるが、いつもスマホでゲームをしておりロクに会話をしたことが無い。
まだ10歳なのだが、かわいい要素が1ミリも無い。「ごつい白人の小人」としか表現できない。


★こんな小型フランケンを僕が10年以上も養う義理はあるのか?
 

★こんなフランケンを置いてバンコクに戻ろうか?


★タイの法律ではフランケンの扶養責任は僕にあるのだろうか?


フランケン君が寝てからこっそりここを抜け出そうと思っているがフランケンも危険を察知したのか、さっきから僕のそばを離れないし、寝る気配も無い。スマホをいじりながらも1分毎に僕を気にしている。

明日出勤したらそのまま夕方のバスでバンコク帰るか・・・


と思っていたら職場までフランケンが付いてきた。





 
*(注1)利用価値
娘だと、金持ち外国人をつかまえられるし、結婚すると結納金がもらえる。
ルックスは悪くないので明日からでも(年齢をごまかして)バービアなどで働かせることが出来る。

イメージ 1