【バンコクの陽炎風】クイーンズパークの陽炎 第5話 四目並べの悪魔
【バンコクの陽炎】
2000年ごろに有名だったネット小説。主人公である滝沢は商社の駐在員で、ソープ嬢やタニヤ嬢などの女性にクールに対応しつつも翻弄される物語である。
尊敬するブロガーのケイイチ様が華麗にクイーンズプラザを楽しむ【バンコクの陽炎風】仮想小説
バービアには欠かせないコミュニケーションツールだ。
英語を話せないバービア嬢とタイ語を話せない客が、会話で盛り上がることが出来ないため、間を保つためにはこういったゲームが必要だ。
バービア嬢は最初は適当に負けておき、頃合を見計らってゲームに勝ったらドリンクを客におごらせるといった勝負に持ち込む。
それからバービア嬢は本気を出して客からドリンクをゲットする。
第5話 四目並べの悪魔
寺澤は後輩の加藤と共にスクンウィット22のクイーンズパークのバービアで飲んでいた。
加藤はカウンター越しに、しきりにママさんにアプローチしている。それを別のテーブルでクールに眺める寺澤だった。
隣にはロイエット出身のスカイ(20歳)。
ピーケイ ゲームしない?
なんなら今朝見た経済新聞の話でもしようか?
ピーケイはずっと他の店ばかり眺めてるから...。
ゲームしよ! 私が勝ったらドリンクをもう1杯ね。負けたら
使用済みパンツだ!
ダメ! ホームケムね!
ダメだ!パンツだ!
オッケー!だったら私が勝ったらドリンク+100バーツ現金ね!
負けたらタダでパンツだからな!
四目並べは単純なゲームだ。要はダブルリーチを作り出すだけのこと。そして相手のダブルリーチになりそうな目をつぶすだけ。
相手のリーチに注意しながらセンターを中心に詰めて行き、いくつかのダブルリーチ候補を考えてから相手の手を見て臨機応変に考えるだけ。
学歴も教養も無い、タイの最下層に位置する娼婦に対してこの寺澤が本気になることもないかもしれない。
しかし僕の性格上手抜きなんかできっこない。この娘にはハイソな日本人としてはチップの100バーツでもあげるべきなんだろうが。
・・・・
・・・・
・・・・
なんてことだ!
クールでクレバーな寺澤が5連敗している。
バービア嬢の四目並べの悪魔のようなテクニックに翻弄されている。こいつらの経験をなめていたようだ。こいつらは客待ちの間ずっとこればかりしてやがるので恐ろしく強い。
財布の中には100バーツ札はもうない。さっき500バーツ札を両替したが、いつまでもつだろうか・・・。
スカイはテキーラのショットを5杯目を飲み干して言った。
ピーケイ もう1回する?
もういい・・・。
(プローイはどうしているだろうか・・・・プローイにまた会いたい。)