帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

バンコクの陽炎22編 第8話 プローイの秘密

タイ人は子供好きだ。ロリ趣味という意味ではない。
両親や家族だけでなく大人がみんな子供を大切にする国だということだ。
田舎から出てきてバンコクで共働きする両親やバンコクで働くシングルマザーの子供たちは田舎で大切に育てられる。
その子供の父親が誰であろうと、どんな経緯で生まれた子供であろうと・・・。




第8話 プローイの秘密

事前に説明も無くいきなりプローイの実家に連れて行かれた寺澤は戸惑いながらも初めて見るタイの田舎の住居を冷静に観察していた。

タイの田舎の農村にありがちな高床式住宅だ。ここはチャオプラヤ川の近くなので洪水に備えた造りなのだろう。
高床部の住居エリアには水回りの設備は無く、炊事・洗濯・トイレはすべて床下で行っている。

イメージ 1










木造だが、柱はコンクリート製だ。地中に打ち込んだ杭を切断せずにそのまま柱に利用しているようだ。
コンクリートの柱に梁用の木材をボルトで固定し、床はベニヤ板ではなくしっかりした木材を使用している。
屋根は木材の骨組みにそのままスレート材を打ち付けてている。

イメージ 7





家の前には変な看板が立っていた。何かいやな予感がする・・・

ひきつづきプローイの家の中を観察している寺澤は見慣れないものに気づいた。

何これ?プローイ

イメージ 2













プークケンよ!
ผูกแขน

クリスマスツリーのような木にぶら下がっている白い紐を腕に結びつける儀式のことで、結婚式などで行われる。
新郎新婦に参列者が一人ひとりこの白い紐を腕に結びながら、2人の門出を祝う作業だ。ところで誰のための儀式なんだろうか?

ピーケン!私たちのよ!


事態がよく理解できない。
出来れば日帰りでナコンサワンを観光しようとナコンサワンに来たところ、不意打ちでプローイの実家に連れてこられた挙句、結婚式まがいの儀式をこの「垂れ乳ー肉割れー帝王切開ー子持ちーババア娼婦」のプローイと行うのか?

ありえない。両親や家族にもロクに挨拶もしていないのに家族達は黙々とこのおぞましい儀式の準備をしていたのか!
このイケメンエリート商社マンであるこの寺澤が、娼婦の子持ちババアと結婚するなんてありえない。帰ろう。そうだ帰ろう!

ピーケン まだ結婚するわけじゃないのよ。気にしないで。


「まだ」とかいう問題では無い。誰が子持ちババアと結婚するか!
隙を見て途中で逃げ帰るにしろここまで来たのだからプローイの子供の顔でも見ておこうか。


ところでプローイ。そこの子供達が君の子供?

違うわよ。その子は近所の子供達。今つれてくるから待ってて。


タイの田舎の女性は妊娠するのが早い。プローイは26歳と言ってたから小学生ぐらいの子供がいるのだろう。
馬鹿なタイ人は地元の男と避妊無しの安易なセックスによって若くして子供を作り一生の重荷を背負うのだろう。
恐らくプローイの前のダンナと別れた原因は定番の「浮気」に違いない。






イメージ 3








え!ファランやん!

ピーケイ。この子はマイケル。この子のお父さんはドイツ人なの。


ドイツ人ハーフの子供の名前がマイケルだと!
この子の名前を聞いただけで想像がつく。この子のドイツ人の父親は自身の子供が出来たことを知らないのだろう。ドイツ人の父親が自分の子供にアメリカ人のステレオタイプな名前など付けない。

馬鹿なタイ人はファランは何でも同じだと思って付けた名前だろうが、この子がもし海外に出て教養のある人たちの前で自己紹介をすると失笑を買うだろう。



イメージ 4











この子は上の娘のオイ。

かわいい。ていうか大人。
は?モー2(中学2年生)っていうことは14歳?
プローイって26歳って言ったけどまさか12歳で子供生んだのか?

ごめんなさいピーケイ。 実は私は32歳なの。


なんて日だ!



今日はサプライズイベントが多すぎる。
放心状態のまま、事前に用意されていた衣装に着替えてプークケンの儀式を迎えた。プローイはなぜかウエディングドレス・・・・
これって本当は結婚式なのでは・・・・
この写真がネットで出回ったら僕の人生は・・・・


イメージ 5








イメージ 6