帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に108話

「もう二度と家を建てることは無いと思いますが、建てるとしても建売住宅を買います。」 

アッタポンさん 35歳 男性



第1話はこちらから
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第108話 チョンブリーに家を建てる 2



2007年1月。
家の建設にかかる予算は1m2当たり18,000バーツ~30,000バーツぐらいだということを理解するのに1か月以上かかった。

予算が300万バーツなので、家の延べ床面積は100~150m2で結果的には正解だった。


ナムワーンの意向を最大限に汲み取るため、最初に描いてもらった図面を何度も修正。
納得がいく図面になってからそれぞれの部屋の内装を決め、窓や扉、トイレや風呂の設備を細かく決めて最終的に見積もられた金額は400万バーツになった。


見積書を元に、削れる部分を探し、安いグレードの材料に入れ替えたり図面を修正。

実に10回以上の打ち合わせを経て、3か月間費やしてようやく仕様と金額が300万バーツに決まった。


タイ人にしては良くここまで付き合ってくれたと、建設会社の担当者には感心した。
銀行とのローン契約が無事済んだのは2007年の8月であった。


家を建てようと決断してから10か月でようやく工事が始まった。

ところで家の建設って何か月ぐらいかかるのでしょうか?
建設会社に聞いても

「いまは雨期だからわからない」

そんなものなのだろうか?


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建設の契約から3か月。
一向に工事が始まらない。

建設会社に聞いてみると、建築許可の図面作成と申請をしているらしい。
「急いでも今は雨期なので工事が始まらないから焦らないで」
とのこと。

「お前が焦れよ!」と言いたくなるが我慢して様子を見る。




工事が始まったのは2008年1月だった。

いつ完成するのか聞いてみたら、ソンクラーン(タイ正月)前後で作業員がどの程度確保できるか分からないから答えようが無いらしい。

「おまえら建設業界に従事して何回ソンクラーンを迎えとるんじゃ!」

と怒鳴ってやりたかったが今回も我慢する。
ソンクラーンが終わっても雨期を理由に完成時期が分からんと言うんだろうな。


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2008年6月。
このころには家の形はほとんど出来上がっていた。
中を見せてもらうと内装が手付かず。

翌月。
そろそろ内装も出来上がっているかと思い、見に行くと状況は先月と変わっていなかった。

確かにここ数日雨が多かったが、内装工事には天気は関係ないはずだ。

不審に思い、建設会社に確認してみる。

「床のタイルの納期がかかってます」

という返事だった。

ナムワーンと一緒にタイルを選んだのは1年前だぞ?
タイルを1枚1枚手作りで作ってもそんなにかかるか?

「いや 選んでいただいたタイルが製造中止になったので似たようなタイルを探すのに苦心しました。」

そんなのもっと前に言えよ!
すぐに在庫のあるタイルを選びなおす。


結局内装が完成したのは8月の終わり。
しかしまだトイレや風呂の設備は入っていない。


電気や水の供給が開始され、引っ越しが出来る状態になったのは契約してから15か月後の2008年11月だった。

普通はこんなに時間がかかるのか?


素直に建売住宅を買えば良かった。




2008年12月。
苦労して家を建ててから間もなくアットは転勤の辞令を受け取った。

行き先は



インド。




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