帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に107話

チョンブリーで家を建てることになった。



 
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第107話 チョンブリーに家を建てる 1
 


2006年11月。
仕事は相変わらず忙しいが、チョンブリーに家を建てなければならない。
休みの度にチョンブリーに行って建売住宅を見て回った。


庭付きの一戸建てで、安いので150万バーツから800万バーツぐらいまである。
さすがに800万バーツ出せば大きな敷地で豪華な建物。
さらに共有棟にはプールやテニスコートやフィットネスまであった。

さすがに800万バーツはローンの支払いが大変なので上限を500万バーツに決めた。
自己資金200万バーツでローン支払いが毎月2万バーツ x 20年ぐらいのイメージ。


建売住宅を犬用に改造するのはもったいないので、自分で土地を探して住宅会社にカスタム住宅を建ててもらうことにした。



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不動産屋に100万バーツ以下の土地を何か所も案内させた結果、シーラチャ郊外で800m2の土地に決めた。

シーラチャ中心部まで車で20分程度の好立地で80万バーツ。
早速現金で購入した。

あとはこの土地に家を建てるだけ。
ミッションの半分は終わったと思っていたが、大変なのはこれからだった。


不動産屋に紹介された建設会社に行ってに土形と建物の希望を提示した。
 
俺の希望はこんな感じ。

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延べ床面積 150-200m2
2階建て
1階
リビング、寝室、キッチン、大きな浴槽のある風呂とトイレ
2階
寝室2つ、トイレとシャワー室
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この希望に沿って図面を書いて見積もってくれるのかと思ったが、しきりに予算を聞いてくる。

正直言って俺にはこのクラスの家を建てるのに適正な金額を知らない。
平均的な相場を教えてもらおうと尋ねる。


「150m2の延べ床面積だったらどのくらいですか?」


「フフフ。だから予算は?」


「標準的なものでいくらぐらいですか?」


「フヘヘ。 そんなのお客さんによって違いますよ。予算はいくらですか?」


「だーかーらー平均の相場を教えろって!」


「フハハヘッ。 予算で変わるんですって。」


「よし分かった。予算は1万バーツ。」


「ウフィッ! 1万バーツで家を建てられませんよ!」


「だったらいくらで建つんだよ!」


「ウフフ。だから予算は?」


最後まで話がかみ合わなかった。
頭に来たのでこの建設会社とはもう話をしなかったが、他の建設会社も似たような感じだった。



3社目の建設会社に話を聞いてようやく俺はタイの一戸建て注文住宅建設の流れを理解出来た。

タイの小規模の住宅建設会社では概略図面と大雑把な構造図面だけで建設作業を開始する。
 
当初の予算のグレードを確保しながら客のリクエストも聞きつつ建設を進めて行って、途中で予算が足りなくなったら客に追加請求するらしい。

リクエストと言っても細かい部分や面倒な要求は無視されるらしい。


3社目の建設会社はこれまで建てた家の写真や図面を出して概算金額を提示してくれたのでこの会社と話を詰めていくことにした。