帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に86話

機械製造会社の駐在員ユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。

死んだはずのユウイチは目覚めたとき、タイ人中学生の【アット】になっていた。
コンケン大学を卒業したアットは前世で勤務していた会社に入社する。

第1話はこちらから
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第86話 日本研修1



日本に着いてから数日は本社で様々な部署を案内されて紹介されて回った。


本社営業部に案内されて行った際につい最近タイから帰国した元上司の高瀬さんがいた。

タイに居た時彼は一日の終わりには必ずナナプラザのゴーゴーバーに行かないと気が済まないほどのゴーゴーバー好きで、頻繁にゴーゴー嬢を自宅にお持ち帰りすることで有名だった。

そんなタイでの生活を満喫しているはずの高瀬さんは今年の2月に緊急帰国となったのだ。



周囲には帰国理由は明かされなかったが、彼は治療が困難な性病に侵されての帰国だった。


ある日俺は下半身に大量の水ぶくれが出来たので一緒に病院に行ってほしいと彼に頼まれて俺がバムルンラート病院に案内した。


病院ですぐに何種類かの強力な抗生物質の注射を行ったのだが、感染した菌の耐性が予想以上に強いらしく症状が治まらなかった。

俺は高瀬さんに病気の事を口止めされていたが、下半身の水ぶくれが上半身に達した頃に社長に見咎められ、性病に侵されていることがバレた。

そして社長から「日本で治療して来い」と緊急帰国となったのだ。




高瀬さんによると日本でも何種類かの抗生物質を試したが、たいした効果は無いので未だに下半身の水ぶくれは完治していないそうだ。

しかし日本で性病の権威と言われる偉いお医者さんに様々な薬を処方されて症状はかなり緩和されたそうだ。

完治させるには体の抵抗力を高めるしか無いらしいので、今は規則正しい生活と健全な食生活を続けているらしい。


しかし本社ではひとり離れた席に座らされ、マイカップの持ち込みを禁止されて話しかける人も少なくなったそうだ。

でも奥さんは離婚せずに一緒に暮らしてくれているらしい。


可愛そうな高瀬さんだが、あまり彼と仲良く話していると周囲に俺も誤解されるので会話もそこそこに営業部を離れた。



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翌日から俺は日本人の新入社員研修に合流を命じられて千葉に向かう。

新入社員研修ということは、もしかして「アレ」をまたやらされるのか?

30歳近くなって。

前世と合わせると俺の精神年齢は60歳近いのに?



千葉県の研修センターで行われるアレはダメだ

あの【ラジオ体操】と【私の抱負】は二度とやりたくない。



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