コールセンターの⑨ 19話【最終回】
「タイのコールセンター」
それは日本人でさえあれば年齢・学歴・経験・語学力を問わず誰でも就くことのできる仕事。
経費削減のために日本の労働法を遵守する必要も無く低賃金で雇用できるタイで日本人を低賃金で雇いコールセンター業務を行っている。
そんなタイのコールセンターで働く一人の男性の物語。
経費削減のために日本の労働法を遵守する必要も無く低賃金で雇用できるタイで日本人を低賃金で雇いコールセンター業務を行っている。
そんなタイのコールセンターで働く一人の男性の物語。
第19話 【最終回】永遠の⑨
ナンシーが生後6か月の梨央と一緒にシパケイの部屋を出ていき、その後連絡が途絶えてしまった。
スクンビットやシーロムのビリヤード場やプールバーおよびクイーンズパークプラザ周辺でナンシーを探し回り、SMSで「裁判で訴えてやる」という内容の文章をナンシーに何度か送ったシパケイであったが、数日でどうでも良くなった。
その後は平常どおり毎晩ビリヤード場に通う毎日が戻ってきた。
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ひとりの生活に戻ってさらに半年しが経過した。
シパケイがバンコクのコールセンターで働き始めてちょうど2年となる。
シパケイは人の出入りが激しいコールセンター内ではすでに古株のベテランと呼ばれるようになっている。
2年前同じ日に入社した同僚達は既に辞めてしまった。
最初に辞めたのはスリラーで、同棲していたバカラのゴーゴー嬢を追いかけてチェンライに移住すると言って退社した。
現在ミャンマーで就職活動中。
農協はコールセンターに勤めながら10社以上の人材紹介会社に登録し、就職活動を行っていた。
『希望勤務地はタイの国鉄の駅から徒歩圏内』という希望条件を人材紹介会社が理解しないと憤ってネット上で人材紹介会社の誹謗中傷を繰り返していたが、運良くラカバンにある日系機械設備商社に営業スタッフとして採用された。
しかし営業用の自動車を支給され、自動車を運転して営業活動をするのが不満らしく、次の就職先を探しているらしい。
◇◇◇◇◇◇◇◇
ある日シパケイは、とある雑誌からのバンコクに移住した日本人を対象とした取材を受けることになった。
ー バンコクのコールセンターの仕事というのはどんなお仕事でしょうか?
電話を受ける仕事です。
ー すみません。もう少し詳しく説明してください。
クレームや問い合わせの電話にたいして、パソコンのモニター画面を見ながら説明する仕事です。
・・・日本からの電話対応をネット電話を利用してバンコクで対応しているということで良いですか?
はい。
ーシパケイさんはどうしてタイで働きはじめたのですか?
タイのコールセンターに採用されたからです。
・・・すみません言い方が悪かったようです。タイのコールセンターの仕事に応募したのは何故ですか?
ネットで見つけたからです。
・・・・あのタイで働きたかった理由を教えてもらえるでしょうか・・・・
特にありません。
ー 差し支えなければ給料はいくらか教えてください。
手取りで32,250バーツです。
ー約10万円ですか。それで生活はやっていけますか?
はい。
ーちなみに今住んでいるアパートの家賃はいくらですか?
25,000バーツです。
ー約8万円ですか???食費とかはどうしています?
残りの7000バーツで生活しています。
・・・・・そうですか。それでは最後に日本にいる方々にタイへの移住を勧めますか?
移住したい人は移住すれば良いと思います。
・・・・・・本日はありがとうございました。
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あとがき
⑨ まる9 というのは馬鹿という意味らしい。
その頃にルールを知らずに直接9番ボールを狙う人たちを馬鹿にする言葉として広まったらしい。
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このお話は実在の人物を元に作ったのでシパケイやナンシーのモデルになった人物は実在する。
シパケイのモデルの人物はビリヤード以外の事に対して意識レベルが非常に低い人物であることは間違い無いが、ナンシーのモデルとなった人物は非常に小柄でかわいい点が実際とは異なる。
現実のシパケイもナンシーと同棲していた。
同棲中はほとんどセックスしないで、数少ない酔った日のセックスの結果に子供を産まる。
その後産まれて数か月の子供を置いてナンシーに出ていくように迫ったのも事実だ。
実際のナンシーを知る俺は、顔もスタイル(おっぱいは小さいが)抜群で、20代前半であった彼女にシパケイが性的興味を持たなかったのは謎である。
文中では便宜上、ナンシーはゴリラに似ているとさせてもらった。
本物は日本の人気女優に似たスレンダーな女性。
おっぱいは見たことが無いが、小さいと思う。
現在はタニヤ勤務を経てバービアに復帰しているが、妊娠する前に一度セックスさせてもらえば良かったと悔やんでいる。