帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

コールセンターの⑨ 10話

「タイのコールセンター」
それは日本人でさえあれば年齢・学歴・経験・語学力を問わず誰でも就くことのできる仕事。
経費削減のために日本の労働法を遵守する必要も無く低賃金で雇用できるタイで日本人を低賃金で雇いコールセンター業務を行っている。
そんなタイのコールセンターで働く一人の男性の物語。




第10話 ナンシーへの提案



昨日はクイーンズパークプラザのミャオミャオバーで働くナンシーを連れてふたりでいつものビリヤード場に行った。

やはりナンシーは逸材だ。力みのない力強いブレイクショットと常に安定した正確なショット。

フォームの細かい部分を修正したらすぐに自分のものにしていた努力家でもある。
彼女ならすぐにトーナメントに出れるだろう。


彼女は明るく飲みっぷりも良いので一緒にプレーしていても楽しかった。
早速次回の男女ダブルスのハウストーナメントに彼女と一緒に参加しよう。


昨日は1000バーツのチップを渡したのに帰らずにウチに泊っていったのはなぜだろう?

朝になって部屋を掃除して帰っていった。別に掃除してもらう必要は無いが、掃除が趣味なのだろうか。






-2週間後。

隔週で行われている男女ダブルスのハウストーナメントに彼女と一緒に参加した。

結果は2回戦敗退。

テクニックは負けていないが経験の差やゲームの組立てが出来ていない。

ハウストーナメントのたびにペイバーして連れ出しただけでは優勝は難しいのだ。

しかし練習のためだけにペイバー代を払ってナンシーを連れ出すのももったいない気がする。



どうしようかと悩んだシパケイは再びバックパッカーに相談することにした。



「うふぅひぃ シパケイちゃん あのバービア嬢とうまくいってないの? ところで(セックスの)相性はどう? うひぃーふっ。」


「(混合ダブルスの相手としての)相性ですか? 結構うまくいってると思いますよ。彼女は積極的だし。
でも彼女は仕事があるから毎日連れ出せないですしね。」


「うふはぁ 積極的ぃ! 毎日連れ出したいほど好きだったら お店を辞めさせて 専属として夜に うひぃーふっ してもらったら? ふぅーふっふっふ。」


「仕事をやめてもらうのですか? 彼女の収入が無くなるじゃないですか!」


「だぁーかーらぁー シパケイちゃんが あのバービア嬢の生活費を支払う代わりに おうちに囲って毎晩 うひぃーふ しちゃえば いいの!」


彼女のためには毎晩一緒にハウストーナメントに参加しながら経験を積ませるのが一番良いかもしれない。

早速今晩彼女に会いに行って相談してみよう。





その日の夜 ミャオミャオバーにて



ナンシー 強制じゃないけどお店辞めてくれない?

僕の給料は3万バーツしか無いからたいしてお手当ては払えないけど。足りなければ働いていいから。

ただし夜の仕事はもうしないでほしいんだ

夜は一緒にハウストーナメントに参加してもらいたいから。



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今日 シパケイさんから驚きの提案を受けた。

私にお店を辞めて一緒に暮らさないかと。


これってプロポーズ? 

いや違う。

毎月ワタシにお手当てを3万バーツくれるのだからミヤノイになれってことね。

シパケイさんはかっこいいから日本に奥さんがいる。

絶対いる。


でも嬉しい。

シパケイさんに「もう夜の仕事はしないでほしい」 なんて。

自分だけのモノになれってことね。


でもどうしよう。

ワタシはまだ自分の秘密をシパケイさんに話していない。