帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

シパトモのタイ起業1

【新シリーズ】

35歳にしてタイの風俗にはまってしまったシパトモは彼の妻に対してタイに長期滞在する理由を作るべくタイで起業する。
彼にとって必要なのは事業で利益をあげることではなく、ただタイに来る理由だけであった。



プロローグ

今回の主人公であるシパトモは現在無職である。しかし彼がシパタイや他の主人公と違うのは一流大学を出て一流企業に就職し8年ほど勤務した経験があり、お金も持っていることである。


2005年にシパトモは脱サラして友人と共同出資したIT関連の会社が倒産し無職になった。
ITバブルの成功者になる夢を捨てきれず、ITバブルが崩壊した日本に見切りをつけてシパトモは得意な英語を活かし海外でビジネスを立ち上げることにした。
ITインフラの後進国で日本のITバブル成功者と同じことをすれば(楽して)成功するに違いないと信じて。


海外でIT長者になってみせると妻を説得し、現地調査をするという名目で2ヶ月かけて中東、インド、東南アジアの各国を旅行する許可をもらった。
会社が倒産した直後で失業中にも関わらず、2ヶ月も海外旅行が出来るのは彼の実家が北関東の大地主であり、祖母の資産管理を任されており、その資産運用(主に証券・株)による運用益の分け前をもらうことで働く必要が無かったからだ。
ついでに彼の妻も開業医なので、失業時は専業主夫をしながら妻にお小遣いをもらうことはあっても金銭面で養う必要は無かった。


彼が成功を掴むための海外視察旅行はエジプトからスタートした。
エジプトからドバイ・インド・ミャンマー・タイ・ベトナム・フィリピンと回った結果、彼は自分の住むべき場所がこのバンコク(ナナエンターテイメントプラザ)であることを確信するに至る。


2ヶ月の調査によりバンコクが最も居心地が良かった。
ゴーゴーバーでは綺麗でスタイルの良い女性が3,000バーツで朝までお相手してくれる。
しかもバンコクではADSL通信が普及しはじめ、毎月定額料金で(そこそこ)高速インターネットが使い放題の環境になりつつあること。

バンコク中心部はインターネット環境が整備されつつあるが、インターネットビジネスがまだ盛んではないタイは10年前の日本のITバブル直前の様相を呈している。これはチャンスだ。

2ヶ月間の旅行を終え、日本に帰国してから妻にバンコクでのビジネスの可能性を熱く語り、翌月の渡航許可を得た。


翌月の訪タイでは到着後すぐに日系不動産を通じて早速スクンビットソイ15にアパートを契約した。
ソイの15はソイカーボーイ、テーメー、ナナプラザに歩いて通える立地条件である。


妻が1ヶ月の半分は日本に居ることを希望するのでバンコク滞在は2週間と限られている。
なので時間を有効に活用すべく

朝は前日お持ち帰りした娘と一戦。
昼までゆっくり寝てからラチャダーのソープで二戦目。
夜の部はゴーゴー嬢をお持ち帰りし三戦目。

というハードスケジュールの合間に新しいビジネスの立ち上げに向けて情報収集を行った。


そんなある日タイのジェトロ主催の投資セミナーで日本語が堪能な中華系タイ人の「アルさん」に出会った。


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今回の内容も実話を元に多少想像を加えたものです。

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