帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

シパトモのタイ起業2


【シパトモのタイ起業】

35歳にしてタイの風俗にはまってしまったシパトモは彼の妻に対してタイに長期滞在する理由を作るべくタイで起業する。
彼にとって必要なのは事業で利益をあげることではなく、ただタイに来る理由だけであった。



第1話 アルさん

セミナーでジェトロで通訳として働く中華系タイ人の「アルさん」に出会ったシパトモは直感的に【こいつはデキる】と感じ、アルさんを勧誘すべく食事に誘った。


翌日の食事でシパトモはアルさんに独自の成功方程式を語る。


アルさん。日本ではITバブルが発生し、ライブドア(当時)や楽天ソフトバンクなどのIT企業が急激に売り上げを伸ばして成功しています。これらの企業はインターネット普及の波にのって急成長成長しました。

しかし現在ではIT先駆者が独占し新規参入が難しくなっています。要は早いもの勝ちですね。
現在のタイの状況は日本のIT企業の先駆者が創業しはじめた日本の10年前に良く似ています。
だからこれからタイで日本の成功者がした事と同じ事をやれば必ず成功すると思いますよ。

シパトモさん!私も孫正義のようになりたいです!

アルさん。僕と一緒にバンコクでビジネスをしませんか?

シパトモさんが私に出資してくれるのですか

出資じゃなくて一緒にビジネスをしましょう。

シパトモさんはお金を持っている人ですか?


アルさんは一緒にビジネスをすることに乗り気のようだ。
ビジネスの内容よりも私の実家の資産や最大投資金額について興味があるようだが、相手の資金力も一緒にビジネスをする上では重要なので確認したいのだろう。

それから何回かアルさんにこれから始めるビジネスについて話し合った。


シパトモさん。タイはインターネットの通信速度は速くなりましたが、残念ながら個人レベルでのパソコン普及率は5%未満です。
なのでインターネットを通じた物販やサービス提供事業は時期早々だと思います。

現在のタイのインターネットユーザーのほとんどがネットカフェのパソコンを利用しています。
なのでインターネットカフェから事業をスタートし、パソコン普及率を高めると同時にオンラインゲームやインターネットでの物販事業を進めるのが良いと思います。


アルさん。それではインターネットカフェの開店から進めましょう!アルさんは店舗探しを進めてください。私は日本のゲーム会社に知り合いがいるので日本のオンラインゲームのタイ語版の製作が出来ないか交渉してみます。


アルさんの協力でタイでのITビジネスの実現が加速されてきた。


ちなみにアルさんは

タイの最高学府であるチュラロンコン大学の日本語学科を卒業し、日本の有名大学に2年間留学した経験があるそうだ。
卒業後に日本の大手商社のタイ法人に就職するが、独立すべく退社し、現在は日本人のビジネスパートナーを探すために日本大使館ジェトロでフリーの通訳をしているそうだ。

私としては理想のパートナーに出会ったと思える。


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