海外転生2-タイに行ったら本気出さなくてもやっていける
「海外転生」
それは日本で自らの行いが原因で居場所が無くなった者、能力が無く努力をしないのに自分はどうして評価されないのか現状に不満を持つなどの社会不適合者が新たな新天地として海外に活路を求め新しい人生を歩むこと。
この話はタイでなら俺でも勝ち組になれると信じてやってきた無職で職歴も無い自意識過剰な男の話。
【エルミタ(フィリピンの歓楽街)では女の子にあなたは英語がうまいねってよく言われました。】(シパタケ談)
第1話 ソイカーボーイ通い
34歳で無職になった俺は、新たな人生をタイで歩もうとドンムアン空港に降り立った。
いつもタイに到着した初日は必ず向かっているソイカーボーイ。
今回も当然行こうと思う。
俺にとって第2の人生が始まる記念日をソイカーボーイで祝おう。
ナナ界隈の安ホテルにチェックイン。
ホテルの部屋でゴーゴーボーイが開店する時間まで暇をつぶしてからソイカーボーイのゴーゴーバーに向かう。
俺はタイ人の女にモテる。
34歳になっても引き締まった筋肉質の体型は現役時代からそれほど変わっていない。
色白でタイ語も堪能。
だからタイ人の女にモテる。
タイでキックボクサーとしての現役当時は俺がゴーゴーバーで座って飲んでいるだけで女の方から寄って来た。
当然ドリンクなど飲まさない。
寄ってきた女に閉店後に俺のホテルに来て無料でさせろと俺の流暢なタイ語で交渉すると5人に1人は俺について来た。
タダでさせてもらう約束でホテルに行ったのに後で金を請求する意地汚い女も多かったが、無料でセックスさせてくれたゴーゴー嬢はひと月で数人はいたものだ。
しかし今日はビール1本でカウンターに座って2時間以上粘って店に在籍するほとんどのゴーゴー嬢に声をかけたのだが、閉店後に無料でのセックスに応じる女はいなかった。
仕方なく次の店に移動して同様にビール1本で夜中の1時までゴーゴー嬢に声をかけ続けたが無理だった。
まあビール合計2本(250バーツ)で4時間以上ステージで半ケツもしくは全裸で踊るゴーゴー嬢の生ケツと生乳首を見たので元は取れたということにしよう。
その後も俺はナナ界隈のホテルに滞在しつつ毎晩ソイカーボーイに通った。
しかし収穫は皆無であった。
不本意だが無料でのセックスは難しいと判断し、金を払うことにする。
しかし俺は女には金を払っても店にはペイバーフィーを払わない主義なので、閉店後に女をホテルに誘う。
ホテルに連れ帰った女に翌朝1,000バーツ渡すと、少ないと文句を言う。
「文句があるなら次からは来るな」と脅すとおとなしく帰っていった。
この俺が色黒の土人とお情けでセックスをしてやり、しかも金まで払うのだ。1,000バーツでも高いぐらいだと思う。
ボクシングジムと飲食店でしか働いた経験は無いが、俺はタイ語に加えて、フィリピンでは英語を使ってボクサー探しや対戦契約の締結などの経験があるため英語も出来る。
こんな有能な俺を雇う会社はたくさんあるに違いない。
それにしてもどうやって仕事を探そうかと思っていたところ、日本語のフリーペーパーに求人欄が目にとまった。
日本人営業募集やら生産管理募集とか色々な求人広告が並んでいる。
1つの会社の求人広告なのに通訳やら営業やら技術者など10種類ぐらいの職種を募集している。
いったいどんな業種の会社なのか気になったので、とりあえず電話をかけてみることにした。
もしもし。求人広告を見て電話をしたのですが・・・
求職者の方ですね。登録のためお越しいただけますか?
登録? では明日行きます。
面接ではなく登録という言葉が気になったがとりあえず行ってみることにした。