帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

クイーンズパークの陽炎 第12話 初日の現地採用職員がいきなりクレーマーの餌食になる

第12話 初日の現地採用職員がいきなりクレーマーの餌食になる


寺澤は初出社してから会社のたるんだ雰囲気とタイ人スタッフの低レベルな会話、日本人スタッフの低いタイ語レベルにあきれていた。
中小企業は能力の低いスタッフ同士がこんなたるんだ雰囲気で成り立っているんだ。優秀な僕が働くことでこの雰囲気が少しでも改善すれば良いのだが・・・・。


午後からは先輩社員に連れられ、お客様へのクレーム対応に同行することになった。



先輩社員:
先日ご契約いただいたお客様が苦情を言ってきたようだ。テラサワくん。くれぐれもお客様に反抗的な態度だけはとらないでくれよ。


テラサワ:
わかりました。


現地にかけつけた僕たちはお客様の苦情に応対することになった。


お客様:
あなたがたの仲介で住んでいるこの部屋、選挙の街宣車のアナウンスの音がうるさい!どうしてくれるんだ!


先輩社員:
申し訳ございません。選挙期間中ですのでしばらくご辛抱いただくほかはありません。


お客様:
君たちはこんな適当な仕事をするためにタイに居るのか?ふん?


シパサワ:
・・・チッ・・・なんだよ。


お客様:
おい!まさか君は舌打ちしたのか?
それが客に対する態度なのか?


シパサワ:
あ・・・お客様。落ち着いてください!


先輩社員:
シパサワくん!お客様になんて口をきくんだ!謝りなさい!


シパサワ:
クソ!こんな会社辞めてやる!


なんてことをしてしまったんだろう・・・・。
入社たった半日で会社を飛び出してしまった。こんな馬鹿ばかりのクソ不動産屋なんてこのクレバーな寺澤には似合わなかったのだろう。まあいいか。


たった半日で会社を辞めた寺澤はそのままスクンビット通りを彷徨い、いつのまにかソイ22にあるクイーンズパークに向かっていた。


キャー!ピーケイ!

ピーケイ いつ戻ってきたの!


久しぶりにクイーンズパークに来た僕はいつもはうざいバービア嬢たちの声もなぜか心地よかった。

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