帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

クイーンズパークの陽炎 第11話 復活

Q.あなたがタイで働きたい理由は何ですか?
 
 
 
A.タイは同じアジア圏の中で、特に注目すべき成長国の一つであり、日本とも交友の歴史は古く、又、親日国でもあります。仏教国であり、シャム王国の時代からの王政であり(以下略)
 


クイーンズパークの陽炎 第11話 復活


日本に帰国したものの、あいかわらずATMのメンテナンスばかりさせられることに嫌気がさした寺澤は大手商社を退社し、単身バンコクに乗り込む。
そしてバンコクにある日本人向け不動産会社および会社設立などを行うK林株式会社の採用面接にのぞんでいた。

誇り高き大手商社の駐在員としての経験のある寺澤にとってはあまりにも不釣合いな仕事といえなくも無いが、タイ自由ランドに載っている求人にすべて応募して面接までこぎつけたのはここだけだった。

 



まさか自分がバンコク現地採用として求職活動をするなんて考えもしなかった。
そもそも現地採用などというものは、日本人として誇りを持った生活が出来るレベルを大きく下回った待遇しかうけられない。

 



バンコク現地採用日本人として平均的なレベルの給料は5万バーツである。
この給料から所得税社会保険料をさらに引かれるのである。残った給料から家賃や食費を支払うとわずかしか残らない。こんな生活を誰がするのであろうか。


君ねえ。元大手商社にいたからって勤まるような簡単な仕事じゃないよ。
給料は4万バーツね。それでも必死に頑張るなら明日から来なさい。


仕事内容は、日本人駐在員へのアパート紹介の業務として駐在員様やご家族を案内してまわる仕事だ。
このような仕事はタイ語が出来なくても日本人でありさえすれば出来る単純な仕事だ。
タイ語が堪能かつクールでクレバーなこの寺澤様にとってたやすい。

 



明日から働かせて頂きます。よろしくお願いします。

 



僕のタイ語力と大手商社で培った経験を活かせばこんな仕事なんて簡単だ。
そのうちこの社長に給料を倍にするから辞めないでくれと土下座させてやる。


とりあえず仕事が決まった。今日はクイーンズパークで祝杯をあげようか。
プローイはどうしているだろうか?プローイに会いたい。


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