帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に106話

前世からずっとパタヤに住みたかった。

チョンブリ工場に常駐のヤツが羨ましい。何とかチョンブリ工場に常駐できないだろうか・・・。



第1話はこちらから
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第106話 軍事クーデター



2006年9月20日
その日は早朝からバンコク市内の主要道路に兵士が配置され、交差点には装甲車が止まっていた。

前日の夜中から静止画が続いていたテレビで時折流れる【民主改革評議会】の発表で異変を感じていたバンコク市民も交差点に居座る装甲車を見て実感するようになった。


9月20日はタイ人社員に連絡網で自宅待機を指示することになったが翌日から工場は通常通り稼働開始となる。

今回のクーデターは4年後の【暗黒の土曜日】のような武力衝突は発生しない。
街角には兵士がたむろしているが、バンコクの街は平穏を取り戻していた。



「アットが言ったとおりクーデターが発生したが平和裏に進むようだし良かったじゃないか。」


「村上本部長!タクシン派はこのまま大人しく引き下がるとは思えません。
数年以内に武力衝突に発展する可能性が高いと思います。」



クーデターの影響は少なく、工場は無事翌日から稼働できている。
しかし俺はこの機会にチョンブリーへの本社移転を進めたかった。

だからチョンブリー工場に本社機能を移転すべきだと村上本部長に力説する。


「分かった。俺からチョンブリーへの本社移転の提案を日本に送っておこう。」



今後のバンコク近辺で動乱が発生するリスクについて資料を忙しい合間を縫って作成し、それを村上さん経由で本社に提案してもらった。

飯田社長からは内諾を得ているそうなので、本社移転は間違いなく進むだろう。



本社がチョンブリーに移転すれば俺もチョンブリー勤務は確定。
ということでチョンブリーに家を建てる準備をしよう!




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チョンブリーに家を建てるにあたってナムワーンの意見を聞いてみた。


「私はアットと暮らせるならどんな家でも良いよ。」


やっぱり。
そう言うと思った。

とりあえず何か希望は無いかと聞いてみると



★犬が走り回れる芝生がほしい
★家の中で犬を飼いたい
★玄関かベランダに犬用の洗い場がほしい
★犬の出入り口の小窓がほしい
★キッチンは犬が入れないゲートをつくりたい


出ました。すべて犬のための要望が。

そもそも今回一戸建ての家を建てるのも、結婚する条件が犬と一緒に暮らすことだったから。

分かりました。
犬と快適に暮らせる家にしよう。



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