腹上死して生まれ変わってタイ人に81話
機械製造会社の駐在員ユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。
死んだはずのユウイチは目覚めたとき、タイ人中学生の【アット】になっていた。
コンケン大学を卒業したアットは前世で勤務していた会社に入社する。
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第81話 モチットで崩壊
「結婚式の手伝いで疲れたからもう少し実家で休養するの!アットはもうちょっと待ってるの!」
2002年9月。
ヌーイの弟の結婚式だと言う日を1か月過ぎても実家から帰って来ないヌーイに「いつバンコクの戻るのか?」という俺の質問がこれだ。
何にどれほど疲れたら1か月以上も休養が必要なのだろうか。
こちらからヌーイの携帯電話にかけてもほとんど取らない。
1週間に1度はヌーイ方からかかってくるが、そのたびに生活費として1万バーツを要求されるのであれから2回ほど送金した。
ヌーイと毎日セックス出来る生活がやってくると楽しみだったが、そろそろ不安になってきた。
3度目の生活費の要求に対して何時になったらバンコクに戻って俺と住むのか強めに聞いてみた。
「だってアットの部屋は汚いしぃ~」
俺の部屋が気に入らないらしい。
確かにナムワーンと住んでいたアパートから飛び出して急遽決めたアパートなので家賃は安いが建物は古くて汚い。
増えた給料に加えて家賃収入もあるのでそろそろ綺麗でセキュリティーが整ったアパートに引っ越すのも良いかもしれない。
早速俺は勤務先に近いラマ9通りにある家賃12,000バーツのアパートに引っ越した。
家具も一式買いそろえてヌーイの受け入れ態勢が整った。
しかしヌーイは相変わらず携帯電話に出ない。
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俺が引っ越してから1か月間ヌーイからの電話は全く無かった。
この1か月は毎日何度も勤務中や営業中であっても携帯電話の着信の確認をしている。
お金の要求であってもヌーイからの着信が待ち遠しい。
ヌーイに何か問題が発生したかもと心配で仕方が無い毎日を送っていたところ、ようやく待ちに待ったヌーイからの着信があった。
「アットごめんね。携帯電話を無くして連絡できなかった!
来週帰るから交通費送って!1万バーツ!」
久しぶりの会話に嬉しかった俺だが、交通費に1万バーツもかかるのか疑問に思ったのでヌーイに聞いてみた。
「女の子には色々用意するものがあるの! 下着とか! もう!恥ずかしい事言わせないで!」
俺と住むために下着を新調するのか。
納得した俺は月曜日の早朝にモチットのバスターミナルに迎えに行く約束をしてすぐに1万バーツを送金した。
来週が待ち遠しいな。
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はーい!
みんな元気?
俺はアット。以前は日本人のユウイチという名前だけど今は何故かタイ人に生まれ変わってま~す。
今日は朝の5時からモチットのバスターミナルでヌーイをずっと待ってま~す。
あれ~何故かな~?
お腹がすいてきたな~。
時間を見るともう13時になってるね~。
もう8時間も待ってるけどヌーイは来ないなぁ。
ずっと固いベンチで座ったままなのでおしりが痛くなったよ!
ヌーイは遅いなぁ。
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気がついたら周りが暗くなっている。
モチットのバスターミナルで待つこと12時間。
正気に戻ったアットは気がついた。
自分が騙されていたことに。