生産機械メーカーのタイ法人に勤務するユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。
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第20話 日本に出発
日本の留学先が決まり航空券がアットの元に届いた。
航空券は福岡空港行。
交換留学生は留学先が日本のどの地方になるか選べない。
その時点で受け入れが可能な高校がランダムに選ばれる。
本当は前世で出身地の関東地方が良かったが、有名な別府温泉にタダで行けるのはラッキーだと思うようにした。
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日本に向かう日になった。
父親の運転するピックアップカーに乗って7時間かけてバンコクに向かう。
7時間もかかる道中なのにピックアップカーの荷台には親戚などが10人近く乗っている。
早朝から出発とはいえ途中は炎天下の中で数時間ピックアップカーの荷台に乗るとは基地外としか思えない。
俺が日本に持っていく2つのトランクの中身は・・・ほとんどもち米だった。
日本の税関で高確率で動植物関係の検疫にひっかかり没収される恐れがあるのだが、母親は有無を言わせず詰め込んだ。
4月の日本は間違いなく寒いのだが、長袖の服はほとんど持って無い。
出発前に悩んだ末に古着屋で買ったジャンバーが唯一の頼りだ。
出発前に悩んだ末に古着屋で買ったジャンバーが唯一の頼りだ。
収入が得られるまでこのジャンパーで寒さを防がなければならない。
お前らそれ以外に何か無いのかよ!
俺のチケットは手荷物重量は30㎏なんだけど持てるわけ無いだろ!
当然の如く出発カウンターで20㎏重量過多となり、大量のもち米を両親に持って帰ってもらうことになった。
汚いジャンパーを着たタイ人高校生は周囲との違和感が半端無かったが、久しぶりに日本語の映画を堪能できた。
それに機内食が美味しくて涙がでた。
ついに検疫。
大量のもち米を持った色黒のタイ人高校生。
怪しさ満点だと思うので自ら申告した。
怪しさ満点だと思うので自ら申告した。
タイの田舎から日本に交換留学生として10か月留学することになりました。
実家は貧乏なのでお金を持たせることが出来ないため両親がせめてとお米を持たせてくれました。
法律で決まっているなら仕方がありませんが、出来るだけ持ち込ませて頂けるようお願いいたします。
これが今の僕の唯一の財産ですから。
と流暢な日本語で説明すると、「勉強頑張れよ」とすんなり通してくれた。
この当時の税関職員は話がわかる人達のようだ。
福岡空港の入国ロビーに到着すると ATTAPON SRICHAKARN と書かれたホワイトボードを持つ男性がいた。
近づいて挨拶をする。
「タイから来ましたアッタポンと申します。
宜しくお願いいたします。」
「あ。 あのー Can you speak English ? 」
日本語で話しているのだが、俺がこんな顔なので日本語と認識できないんだな。
Yes I can speak English but I would like to speak Japanese
というか普通に日本語話せますよ。
あー良かった。えーとアットトラポン スリチャカロンさんですよね。
アッタポン シーチャッカーン です。
アットと呼んでください。