帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

腹上死して生まれ変わってタイ人に32話

生産機械メーカーのタイ法人に勤務するユウイチは泥酔しながらも若いゴーゴー嬢をホテルに連れ込み行為の最中に突然死してしまう。

死んだはずのユウイチは目覚めたとき、タイ人中学生の【アット】になっていた。

第1話はこちらから
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第32話 アットの災難



アットはアルバイト先のレストランでウエイトレスとして働く美少女オに夢中だった。
何とかしてオイを「落とす」ために努力する。

毎回アルバイトに行く際は果物・お菓子・飲み物などを買ってオイに渡す。

オイの仕事を手伝ってあげる。

自分が一流国立大学の学生であることや、日本への留学経験をアピールする。

毎日会うたびに「いつも可愛いね」と褒める。


仕事終わりや休みの日のデートに誘うが、拒否されてばかりだった。


何度も誘った甲斐があってようやく良い返事がもらえた。

明日の仕事が終わった後なら良いと。



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翌日の仕事をノリノリで頑張り、お店が閉店し、片付けが終わった後でオイを待っていると・・・
バイクに乗った二人連れの男が近づいてきた。


「おまえがオイに近づいている大学生か?」


見た感じがすでにヤバイ奴だった。

タイ人は馬鹿で見境が無いためケンカになると死人が出る。
見た感じ、平気で人を殺しそうな頭の悪そうな2人組。

アットは危険を感じて走って逃げるが、すぐに追いつかれて後頭部を殴られ倒れてしまう。

アットが倒れた後は二人から何度も蹴られる。
しばらく丸まって耐えていたが、一向にやめないので死の危険を感じ、人が居そうな方向に逃げて助けを呼ぶ。


ようやく二人が去っていった。
しばらく痛みで歩けなかったが、なんとか病院の救急窓口にたどり着いた。


病院では血まみれの俺に驚く事も無く、治療費が支払えるかどうか聞いてくる。
血まみれの体で車椅子に乗せてもらい、ATMで現金を引き出してようやく治療してもらった。


眼底骨折と鼻骨骨折と診断された。
右目の視力は元には戻らないと言われた。

1週間入院し、腫れはほとんど無くなったが、顔のあざが酷くてしばらく学校に行けない。


入院費用も相当かかり、本当に災難だった。




第1話はこちらから