帰国したタイの変な日本人

バービアを愛した中年デブの元タイ沈没者がタイを想ってタイを舞台にした小説のようなものを書いてます。

コールセンターの⑨ 8話

「タイのコールセンター」
それは日本人でさえあれば年齢・学歴・経験・語学力を問わず誰でも就くことのできる仕事。
経費削減のために日本の労働法を遵守する必要も無く低賃金で雇用できるタイで日本人を低賃金で雇いコールセンター業務を行っている。
そんなタイのコールセンターで働く一人の男性の物語。




第8話 ハウストーナメント



『ハウストーナメント』ビリヤード場が主催するトーナメント形式もしくは総当たり形式の大会で、客同士の交流を目的としている。毎週ハウストーナメントを行う店が多い。
ゲーム代込みの参加費用を徴収されるが、優勝すれば賞金が出る。



シパケイは会社の近くにあるビリヤード場で日本語が少し出来るシンガポール人のフィリップさんと友達になった。

フィリップさんに連れられてシパケイはバンコク各地の・・・と言ってもタイ語の出来ないふたりの行動範囲はスクンビットシーロムのみだ。そこでいくつかのビリヤード場を案内してもらう。


「あのねー 今日は月曜日だからブレーカーズなのねー。明日は火曜日はスポーツアカデミーだけどダブルスだからダメなのねー。」


シパケイとフィリップさんはハウストーナメントが行われているビリヤード場を日替わりでまわり、毎日のようにハウストーナメントに参加したが、男女でふたり一組のダブルスのトーナメントに参加出来ないのは残念だ。どこかにペアになってくれる女の子は居ないだろうか。




日本でアマチュアの全国大会でファイナリストになった実力者のシパケイはミスが無ければ出場したハウストーナメントでの優勝は容易かった。

ハウストーナメントの参加費用が200バーツ~300バーツで、優勝賞金2,000バーツ、準優勝はだいたい1,000バーツ。週に2-3回は優勝もしくは準優勝だったので、毎週5,000バーツ近い臨時収入になった。


得た賞金のほとんどはフィリップさんにたかられてしまうが、日本語もそこそこ出来て話も面白く、それでもシパケイは楽しかった。

今日は昨日のハウストーナメントの優勝賞金でスクンビットのソイ22にあるバービアに連れていかれた。支払いは当然シパケイ。




フィリップが案内したのはバービアの密集したクイーンズパークプラザにあるチューチューバーだった。
7フィートの小さくてポケットがデカい台ではやる気は起きないシパケイであったが、場違いなほどの力強いブレイク音を出すバービア嬢に出会った。彼女の名前は【ナンシー】


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